前回は食欲コントロールの必要性と食欲コントロールを乱す5つの原因についてお話ししました。
まだ読まれていない方はこちらをどうぞ→『食べ過ぎは治せる!食欲コントロールを乱す5つの原因とは?』
そこで今回は実際に食欲をコントロールするための具体的な方法についてお話しします。
食生活で食欲をコントロールする方法
食欲をコントロールするには、食欲コントロールを乱す原因に対処することが基本となります。
○ 総摂取カロリー量を増やす
食欲を乱す原因に総摂取カロリー不足がありました。
そのため、対処策としてはもちろん、総摂取カロリーを増やすことが挙げられます。
ご自分の年齢や体重、活動量などに合ったカロリー量まで増やしてみましょう。
総摂取カロリーは基礎代謝に身体活動指数を掛けたものになります。

推定エネルギー必要量 日本医師会ホームページより引用
www.med.or.jp/forest/health/eat/01.html
身体活動指数は以下の通りです。
身体活動指数 | 日常生活の内容 |
低い(Ⅰ) 1.50 |
自宅でも仕事でも1日のうちほどんど座っている |
普通(Ⅱ) 1.70 |
座り仕事中心だが、階段の上り下りなどはする |
高い(Ⅲ) 2.00 |
立ち仕事や重いものを持ち上げる仕事。またジムトレーニングなどスポーツが習慣になっている |
例えば30代女性で普通の身体活動であれば基礎代謝が1150kcalなので1150×1.7=1955kcalになります。
ただ、間違えてはいけないのは食事でカロリー量を増やすということです。
つまり、おかしやデザートでカロリー量を増やすのではありません。
おかずやご飯で総摂取カロリー量を増やすようにしましょう。
〇 栄養不足を補う
前回お話ししたように、カロリー量が確保されただけでは体は満たされません。
そのため、不足していると予測される栄養素を食事で補うようにしましょう。
具体的には、糖質であれば一日100~150gは摂るようにしましょう。
また、女性ではタンパク質、鉄不足により食欲が乱れる傾向にあるため、それらの摂取は意識しておきたいところです。
鉄不足にはレバーが効果的です。
レバーに含まれるビタミンAが鉄の利用を高めるからです。
その他、ビタミンB群やマグネシウムなどのミネラルも大切です。
ビタミンやミネラルは野菜やくだものに多いイメージがありますが、動物性たんぱく質の中にも含まれています。
また、これらの栄養素は植物性よりも動物性の方が吸収が良いと言われているため、ダイエットでは避けがちになるお肉も食事には必要になります。
〇 食事のバランスを整える
ここでいうバランスとは食事を摂る回数や食間のこといいます。
大切なのは朝昼晩と三食食べることです。
朝食を抜いたりして食間が空き過ぎると(具体的には6時間前後)誰でもおなかは空いてきます。
もちろんこれは食間が空けば空くほど強くなります。
体がエネルギー不足を嫌うからです。
仕事が長い人は、昼食後6時間以上空いてしまうことがあると思います。
そういう時は、夕食を分けるのも一つの手です。
つまり、12時に昼食を食べて18時に間食をするのです。
その時の食事はおにぎりなどの炭水化物がおすすめです。
そして、仕事が終わり21時頃に夕食になるとしたら、その時に残りのおかずを食べるようにしましょう。
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睡眠で食欲をコントロールする方法
睡眠不足により食欲が乱れている人は、まず睡眠時間を確保することから始めましょう。
人によって必要な睡眠時間は異なりますが、一般的には7時間半が良いとされています。
自分に必要な睡眠時間を知りたい方は「結局、何時間寝ればいいの?読めば安心、健康に必要な睡眠時間と質」という記事の「あなたに必要な睡眠時間の探し方」という項目をお読みください。
また、睡眠時間を十分にとっているのに「スッキリ目覚められない」「日中に眠気が起こる」「夕方疲労感が強い」という場合は、睡眠の質が悪くなっている可能性があります。
こういった場合は、睡眠の質を高める必要があります。
下記に睡眠の質を高めるポイントを挙げます。
〇 夕方に激しい運動をしない
人間の体には自律神経というものがあり、自律神経には活動的になる交感神経とリラックス状態になる副交感神経があります。
そして、この二つの神経は一日を通して交感神経が活発になったり副交感神経が活発になったりします。
具体的には朝から昼にかけて私たちは活動的になるので交感神経が夕方から夜にかけて私たちは休息に入るので副交感神経が活発になります。
そのため、副交感神経が活発になる夕方に激しい運動をして交感神経を刺激してしまうとうまく休息に入れず睡眠の質が悪くなります。
こういう理由からも、夕方以降に激しい運動はおすすめできません。
〇 食事を意識する
食事によって取り込まれた栄養素は睡眠に関わるホルモンの材料となります。
具体的には「トリプトファン」「グリシン」「ビタミンB1」があります。
トリプトファン
効果:リラクゼーション、睡眠促進、月経前症候群の症状緩和
トリプトファンが含まれている食品
- 鰹・かつお節
- 小麦蛋白
- 湯葉(干し)
- 高野豆腐
- すじこ
- イワシ・シラス
- きな粉
- 大豆(乾燥)
- 脱脂粉乳
グリシン
効果:睡眠促進
グリシンが含まれている食品
- エビ
- ホタテ
- イカ
- カニ
- カジキマグロ
ビタミンB1
効果:睡眠促進、疲労回復
ビタミンB1が含まれる食品
- 豚ヒレ肉
- 豚モモ肉
- うなぎの蒲焼
- たらこ
- エンドウ豆(茹で)
- 大豆
- 松の実
- ひまわりの種
- 玄米ご飯
- 胚芽米ごはん
- のり
- かぶのぬか漬け
- 大根のぬか漬け
- そば
〇 浴槽につかる
人の体は体温の変化によって眠気が生じるようになっています。
そのため、浴槽にしっかりとつかり、深部体温をいったん上げることで入浴1~2時間後に眠気を作ることができます。
上がった深部体温が1~2時間後に下がってくるからです。
また、浴槽につかること自体が自律神経を安定させるので副交感神経の活動を活発にさせます。
ただ、41℃以上の熱いお風呂では逆に交感神経を刺激することになるため眠気は妨げられます。
〇 眠気がきたら眠る
人の体にはリズムがあります。
これを体内リズムといいますが、これにより私たちはある一定のタイミングで眠気が生じるようになっています。
それが13~14時、22時、2時です。
起きて朝日を浴びた時間にも左右されますが、だいたいこの時間帯に人は眠くなります。
そのため、睡眠の質を高めるにはこのタイミングで眠ることが良いでしょう。
自分も経験がありますが22時の眠気を我慢するとその後しばらく寝れなくなりませんか?
あれは眠るタイミングを逃した証拠です。
〇 朝日を浴びる
先ほどお話しした通り、朝日は夜の眠気に影響を与えます。
具体的には朝日を浴びることにより14~15時間後に睡眠誘発ホルモンであるメラトニンの分泌が促されます。
そのため、朝7時に起きたらまず朝日を浴びてみて下さい。
そうすることにより7時+14~15時間=21~22時に眠気が生じてくるでしょう。
〇 午後のコーヒーは避ける
コーヒーに含まれているカフェインが眠気を妨げることはよく知られていますが、このカフェインは12時間も体内に残ることが分かりました。
そのため、寝る前のコーヒーやお茶を避けるのではなく、午後に入ったら避けるようにしましょう。
それかノンカフェインの飲み物をおすすめします。
〇 テレビ、スマホ、パソコンを避ける
テレビ、スマホ、パソコンから発せられるブルーライトは目の網膜に入り交感神経を刺激すると言われています。
また、ブルーライトは睡眠誘発ホルモンであるメラトニンの分泌を抑制することも分かっています。
〇 睡眠環境を整える
当たり前ですが寝る時の環境が悪ければ、睡眠の質も悪くなります。
騒音や室温、湿度はもちろんのこと、寝具も見直す必要があるかもしれません。
室温は24~26℃が良いと言われています。
頭に合った枕や重すぎない布団が良いでしょう。
〇 アロマオイルを活用する
アロマオイルには自律神経安定、ストレス緩和、安眠・不眠の改善効果があります。(その他、不安感を和らげたり、集中力を高める効果も)
ラベンダーやオレンジ、ベルガモット、マンダリン、イランイランがおすすめです。
使い方はアロマバス、アロママッサージ、ディフューザー(寝る30分前から部屋に香りを漂わせる)、アロマスプレーなどがあります。
自分に合った方法、アロマを選んでみて下さい。
〇 寝る前にストレッチをする
寝る前に背骨や骨盤のストレッチを行うと副交感神経が刺激されて良質な眠りにつながります。
また、私たちは寝ている時にも筋肉を使っています。
そのため、ストレッチをして筋肉を使いやすい状態にしておくことは無理のない睡眠姿勢につながるため、ストレスが少なくなり睡眠を邪魔しません。
〇 眠る前に呼吸法を行う
呼吸は自律神経と深く関係しています。
具体的には息を吸う時は交感神経を刺激して息を吐くときは副交感神経を刺激します。
そのため、寝る前の呼吸法では吸気呼気を1:2の割合で行うようにしましょう。
例えば3秒で息を吸ったなら6秒かけて息を吐くようにしましょう。
実際にやってみると普段自分の呼吸はどれだけ浅いか分かります。
ちなみにストレスを受けたり、緊張したり、怒ったりしたときはもっと呼吸は浅くなっています。(人によっては息を止めていることもあります。)
そして、呼吸は腹式呼吸を意識しましょう。
腹式呼吸とは息を吸う時にお腹をふくらませていく呼吸です。
逆に胸式呼吸は息を吸う時に胸がふくらんでいく呼吸を言います。
こちらは交感神経を刺激する呼吸ですのでご注意ください。
〇 飲み物を活用する
寝る前の飲み物においてはコーヒーや緑茶はおすすめできませんが、カモミールなどは体をリラックスさせるためおすすめです。
以上、睡眠の質を高めるポイントを挙げてみました。
ポイントがたくさんあり、取り入れることに少々萎えた方もいるかもしれません。
まず、できることからやってみることをおすすめします。
決してすべて意識することはありません。
なによりも大切なのは、睡眠時間を7~7時間半確保することです。
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ストレス管理で食欲をコントロールする
ストレスは睡眠不足同様に自律神経やホルモンバランスを乱して食欲を高めます。
そのため、ストレスによって食欲が高まっている場合は、ストレス管理が大切になります。
そして、ストレスは主に対人、対時間があります。
〇 ストレスを避ける
当然ですが、そこにストレスがあるならばストレスを避けるようにすることは一種のストレス管理です。
職場にストレスの対象となる人がいるならば職場を変える(簡単ではありませんが・・・)ストレスを感じる人とは付き合わないようにすることでストレスは避けられます。
〇 ストレスを受けにくい体を作る
ただ、そうは言っても簡単にストレスを避けられないのも事実だと思います。
そういった場合は、ストレスを受けにくい体、頭を作るのも大切です。
具体的には価値観を変えるように練習する。
「考え方は人それぞれなんだから、この人の考え方にイライラしてもしょうがないな」と思うだけでストレスは感じにくくなるはずです。
また、単純に体力をつけるだけでもストレスを受けにくくなります。
ストレスには精神的ストレス、肉体的ストレスがありますが、これらはお互いに影響しあってます。
その証拠に精神的ストレス(上司に怒られる)を受けたときでも肉体的ストレス(階段ダッシュに昇る)を受けた時でも同じように心拍数や呼吸数が上がりますよね?
そのため、普段から運動をして体力をつけておくと少しくらいの肉体的ストレス、精神的ストレスを受けてもそう簡単に心拍数、呼吸数は上がりません。
つまり、自律神経は乱れにくいということです。(2つとも自律神経でコントロールされているから)
〇 定期的にストレスを解消する
ストレスがたまっていくと最終的に爆発して過食に走りやすくなります。
そのため、たまっていくストレスは定期的に解消する必要があります。
ただ、ストレスが解消されればなにをしても良いかと言われるとそうではありません。
ストレス解消法にも良いストレス解消法と悪いストレス解消法があります。
以下が良い・悪いストレス解消法になります。
良いストレス解消法 | 悪いストレス解消法 |
エクササイズやスポーツ | ヤケ食い |
礼拝への出席 | ギャンブル |
読書や音楽 | タバコ |
家族や友達との触れ合い | アルコール |
散歩 | 衝動買い |
マッサージ | テレビ |
瞑想やヨガ | ゲーム |
クリエイティブな趣味 | インターネット |
体質改善ダイエットサロン Leaf 第二回オンラインセミナー資料より引用
両者の違いについてご説明します。
良いストレス解消法は体の中で幸福感を与えるホルモンを作ってストレスを解消していきます。
悪いストレス解消法は体の外から与えられる報酬によってストレスを解消していきます。
そして、人は外から与えられる報酬に対して依存したり、脳がその報酬に慣れてしまうとより大きな報酬を得ようとします。
ストレスで気づいたら吸うたばこの本数が増えたとか、昨日はパチンコで1万勝ったから今日は2万勝つまで止めないとか、だんだんお酒の飲む量が増えたとか聞いたこと経験したことありませんか?
私はあります(笑)
このように、ストレスを解消することは大切ですが手段を間違わないようにしましょう。
腸内環境を整えて食欲をコントロール
腸内環境が乱れていると食欲を抑えるPYYと言われるホルモンの分泌が妨げられます。
そのため、腸内環境の乱れが原因で食欲コントロールができていない人は、腸内環境を整える必要があります。
〇 プロバイオティクスを摂る
プロバイオティクスとはお腹の腸内細菌バランスを整えて、腸内の異常状態を改善し、健康に良い影響を与えてくれる微生物のことを言います。
プロバイオティクスにはヨーグルト(生菌入り)、キムチ、ピクルス、ザウアークラウト、発酵調味料(醤油・味噌・酢など)、発酵した肉・魚・卵などがあります。
〇 プレバイオティクス
一方、プレバイオティクスとは、プロバイオティクスの働きを助けて、腸内環境をより良く保つ物質のことをいいます。
プレバイオティクスには、生のニンニク、生の西洋ネギ、玉ねぎ、生のアスパラガス、生のキクイモ、オリゴ糖、食物繊維があります。
〇 生活習慣を整える
腸内環境の乱れを治す時になによりも大切になるのが生活習慣の改善です。
例えば睡眠不足になると交感神経の活動が高まるため副交感神経でコントロールされている腸の動きが悪くなります。
腸の動きが悪くなると排泄したい便が腸内に停滞するため、便から放出されるガスにより腸内環境が悪くなります。
また、朝起きるのが遅くていつも出勤や子ども送り出しにバタバタするのもよくありません。
忙しさにより交感神経を刺激しますし、トイレに行く暇がなくなるので便意を我慢してしまうからです。
これが便秘につながり、腸内環境を悪化させます。
そのため、自律神経を整えるためにも生活習慣を見直す必要があります。
早寝早起きを心がけるだけでもだいぶ変わってきますよ。
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まとめ
今回は食欲をコントロールするために必要な具体的方法についてお話ししました。
前回の記事と合わせて読んでいただき、ご自分の食欲の乱れがどこからきているか把握した上で、今回の内容を生活に取り入れて頂ければ幸いです。
前回記事➝『食べ過ぎは治せる!食欲コントロールを乱す5つの原因とは?』
ちなみに、習慣的な食欲はコントロールが難しいため、応用テクニックが必要になります。
それは次回お話しします。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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また、今回の内容は、体質改善ダイエットサロンLeafで行われているオンラインセミナーで学ぶことができます。
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