前回は寝ることで得られる5つの効果についてお話ししました。
まだ読まれていない方はこちら➝『日中を元気に過ごせる!寝ることで得られる5つの効果』
寝ることは体にも心にも重要な意味を持ちます。
そのため、私たちはもっと睡眠について関心を持つ必要があると思います。
しかし、「分かってるよ!!でも寝れないんだよ!!」
と言う方もいるかも知れません。
そういう方はどうしたら良いでしょうか?
そうですね、そういう方はまず体温と脳をうまく使ってみましょう。
そこで今回は「夜眠くなるために必要な体温と脳のコントロール法」についてお話しします。
また、今回の内容は「スタンフォード式最高の睡眠」を基に書いております。

Contents
体温がどうなれば眠くなるか?

では、実際にどうすれば眠くなるのでしょうか?
それは、深部体温が下がることで眠くなります。
ただ、これは間違いではないのですが、十分とは言えません。
正確には深部体温と皮膚温度の温度差が2℃以下に縮むことで眠気が生じてきます。
覚醒時の深部体温は皮膚温度より2℃ほど高いのですが、睡眠時の深部体温は0.3℃ほど下がり温度差が2℃以下になるときに眠気が生じたという報告があります。
そして、深部体温を下げるためには皮膚温度を上げて、熱放散をさせることがポイントとなります
では、しっかり眠くなるための体温コントロール法をご紹介します。
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就寝90分前の入浴
皮膚温度を上げて深部体温を下げるのに効果的なのが「入浴」です。
人の体にはホメオスタシスという働きがあり、体温はおよそ36.5℃前後に調整されて、そう簡単には変化しないようになっています。(ひと昔前は36.9℃前後でしたが)
しかし、入浴にはそんな体温を変化させる力があるのです。
具体的には、入浴(40℃のお風呂に15分入る)により皮膚温度は0.8~1.2℃上昇し、深部体温は0.5℃上昇することが分かっています。
そして、皮膚温度が上がり熱放散をすることで深部体温が下がっていきます。

もちろん、人に備わっているホメオスタシスによっても深部体温は下がっていきます。
そして、深部体温が元の温度に戻るのに90分かかると言われています。
ここでポイントとなるのが、深部体温はこの90分後からさらに下がっていくということです。
入浴前の深部体温が37.0℃だとしたら、入浴後37.5℃まで上昇し90分後以降から36℃台に入っていくということです。
これにより、皮膚温度と深部体温との差が縮まり、眠気が生じてくるのです。
入眠前のタイムスケジュール
これらを考慮すると、寝るまでのタイムスケジュールが決まってきます。
例えば、あなたが22時に寝ることが多い場合は・・・
20時00分 入浴し湯船に15分つかる
皮膚温度、深部体温ともに上昇
20時30分 入浴終了し汗をかくなどして熱放散開始
22時00分 熱放散により深部体温は元に戻り、さらに下がり始める。このタイミングでベッドに入る。
22時10分 入眠
皮膚温度と深部体温との差が2℃以下に縮んでいるためぐっすり眠れる。
このような感じになると思います。
早く寝たいときはどうするの?
「いやいや…」
「帰り遅いし、もっと早く寝たいんだけど…」
「90分も待てない!」
という方もいらっしゃると思います。
そういう場合は、深部体温が上がり過ぎないように40℃未満のぬるいお風呂に入るかシャワーで済ませるようにしましょう。
そうすれば深部体温は0.5℃も上がりませんし、元に戻るまでに90分もかかりません。
ただ、以前お話ししたように湯船に浸かることのメリットもありますので、出来るだけシャワーのみというのは避けたいところです。
→『シャワーだけじゃダメ!?お風呂に入ると4つの作用で疲れが取れる』
また、時間がなければ「足湯」も効果的です。
入浴後の熱放散は体幹でも起きていますが、あくまで表面積が大きく、毛細血管が発達している手足が熱放散の主役です。
そのため、足湯によって足の血行を良くすると効率的に熱放散が促されて深部体温が下がっていきます。
足湯であれば寝る直前でも良いので忙しい方でもできるかもしれませんね。
ただ、寝るときに靴下を履いたりすると熱放散を妨げることになるため、寝る直前には靴下を脱ぐことをオススメします。
理想は寝る直前まで靴下を履いて血行を良くして、靴下脱いで寝るって感じですかね。
そのほか、電気毛布や湯たんぽなども熱がこもってしまい、うまく深部体温が下がってこないので要注意です。
温まったら布団から外しておきましょう。
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室温コンディショニング

ぐっすり寝るときに寝具にこだわる人は多いです。
しかし、室温や湿度も良質な睡眠には必要となります。
これには個人差があるので明確に「〇〇℃が良い」とは言えませんが、室温が高すぎると発汗が過剰になりすぎてしまい、結果、熱放散が促されて深部体温が下がり風邪を引いてしまうことがあります。
また、湿度が高くなりすぎると汗が出にくくなり、熱放散が邪魔されるので、深部体温が下がらず、眠りを妨げることもあります。
逆に、室温が低すぎると血行が悪くなり、熱放散が妨げられて眠気が起きなくなったりします。
そのため、ご自分に合った室温を探すことやタイマーをかけていつまでも冷えたまたは温かい室温にしないことも大切になります。
頭を冷やすことも大切
眠りに入るためには、しっかりと脳を冷やすことも大切です。
そして、脳も深部体温と動きが似ており、入眠時に低くなることが分かっています。
そのため、枕はひんやりする素材が良いと思われます。
最近は、通気性が良く効率的に頭を冷やしてくれる素材が増えていますので、ホームセンターなどで探してみてください。
一般的なのはそば殻枕やビーズクッションの枕ですね。
眠気を誘うモノトナスの法則
ここまで、体温をコントロールして眠気を誘う方法をご紹介してきました。
次は、脳をコントロールして眠気を誘う方法です。
皆さんは、高速道路を運転していて眠たくなったことはありませんか?
私はあります(汗)
あれは脳が退屈になり、考えることをやめたからなんです。
高速道路って風景があまり変わらないし、クネクネ道がないからハンドルもあまり動かしませんよね?
こういった単調な状態を「モノトナス」といいます。
モノトナスになると脳は退屈になり考えることをやめて眠気を作ります。
夜はこのモノトナスの法則を利用しましょう。
つまり、夜寝る前に観るテレビは目まぐるしいアクション映画やバラエティー番組、犯人が気になるミステリードラマなどは避けたほうが良いということです。
また、スマホで頭を使うゲームをしたり、集中してみてしまうyoutube動画はやはりオススメできません。
極力、単調なテレビ、動画がオススメになります。
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睡眠のルーティーンを作る
また、入眠に向けてルーティーンを作ることもモノトナスの実現には有効です。
つまり、寝るまでの作業を決めておくということです。
いつもと同じパジャマで、いつもと同じ時間帯に歯を磨き、いつもと同じコップで一杯の水を飲み、いつもと同じベッドと同じ室温と照明の明るさに設定し、いつもと同じ本を読む。
こういったルーティーンを作ると「迷う」ということがなくなるため考える作業が減ります。
こうすれば、モノトナス(単調な状態)になり眠気が生じてくるでしょう。
眠たくないならベッドから出る
以上のように、体温と脳をうまくコントロールすればあなたに合った眠気が生じてくると思います。
しかし、これだけしてベッドに入っても寝れない時は寝れません。
そういう時は無理やり寝ようとせずに潔くベッドから出て下さい。
「明日は早いしなんとか寝るぞ!!寝てやる!!」
と思っても残念ながら寝れない自分に苛立ち、焦り、結局寝れなくなります。
私がそうでしたからよく分かります。
そういう時はベッドから離れて難しい本を流し読みしたり(これ効きますよ)、深呼吸したり、単調なテレビなどをボケーっと観てみてください。
そして、次の眠気が生じてきたらベッドに入って寝ましょう。
睡眠は確かに量も大切ですが、やはりどれだけストンっと寝れるかという質も大切です。
寝れないには必ず原因があります。
それは、寝る前の行動かも知れませんし、日中の活動量や食生活かも知れません。
大切なのは万人共通の睡眠法を探るよりも、自分が寝れない原因を探る方だと思います。
(万人共通の睡眠法を紹介しておいてなんですが・・・)
まとめ
今回は「夜眠くなるために必要な体温と脳のコントロール法」についてお話ししました。
良質な眠りは心と体の調子を整え、次の日のパフォーマンスを格段に上げてくれます。
寝れなくて困っている人は是非、今回の内容を生活に取り入れてみて下さい。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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