引いてしまった風邪を早く治すためにすべきこと【副交感神経の働き】

リラックスする猫

前回は交感神経についてお話ししました。病気の根本原因と言われる「交感神経優位」ですが、「優位」ということが問題であって決して「交感神経」そのものが悪いというわけではないことが分かったかと思います。

詳しくはこちら→『バランスがとれて病気しにくい体に!交感神経の大切さを詳しく解説』

ただ、私たちは常に交感神経を働かせて生活しているわけではありません。毎日毎日獣や敵に出会うとは限りませんし、常に筋肉へ血液を送っていたら心臓も疲れ果ててしまいます。

そのため、交感神経と反対の働きを持つ神経も必要になります。

そこで今回は「副交感神経の働き」について改めて考えたいと思います。

副交感神経とは

副交感神経は主に脳の根本にある脳幹というところから出る数種類の神経と脊髄の一番下にある仙髄というところから出る神経の2種類があります。

脳幹の位置は後頭部の下あたりになります。プロレスで「延髄蹴り」という後頭部の下あたりを蹴る技がありますが、あのあたりだと思ってください。

また、仙髄の位置はお尻の割れ目が始まるあたりになります。その2つの場所から副交感神経が出ていて脳や心臓、気管支や一部の血管、胃などにくっついて指令を送っています。

副交感神経の働きは「分泌と緊張緩和」

交感神経の働きが「闘争か逃走」であるのに対し、副交感神経の働きは「安静と休息」あるいは「分泌と緊張緩和」になります。

活動的となる交感神経に対して基本的に逆の働きを持つ副交感神経は「安静、休息」というイメージが強いのですが、「分泌」という働きもあることを覚えておきましょう。

つまり、副交感神経の働きはリラックスだけではないということです。

前回は獣や敵と遭遇した時を例に挙げて交感神経の働きを説明しました。そのため今回は獣や敵との戦いが終わる、またはなんとか逃げ切ったあとのという設定で副交感神経の働きを説明したいと思います。

獣や敵と戦ったり、逃げたりするときには体中の筋肉にたくさん血液を送らなければいけませんでしたが、そういった環境が終わってしまえば筋肉にたくさん血液を送る必要がなくなります。

そのため、副交感神経が働くと血液の流れは筋肉ではなく内臓の方にシフトされていきます。これにより胃や腸などの内臓機能が再開されることになります。

草食動物が肉食動物から逃げ切ったあと、木陰で自分の傷口をペロペロ舐めているシーンを見たことはないでしょうか?あれはまさに副交感神経を働かせている姿になります。

つまり、唾液を分泌させて傷を癒し、内臓機能を働かせて血や肉を作り傷を治す「合成」という作業をしているのです。

※これを考えると私たちが風邪を引いたり、ケガをした時は早く寝て副交感神経を優位にして合成を促すことが大切なのが分かると思います。

また、体中の筋肉を使わなくて良くなったので筋肉を使う時に必要な「酸素」も極端には必要ありません。そのため気管支(気道)は狭くなります。

ということは喘息を持っている人は副交感神経が働き過ぎると喘息発作を起こしやすくなるということです。夜間に喘息がひどくなるのはこういった理由があるのです。

また、武器を持ったり、木をよじ登る必要はなくなったので手にかいていた汗も引いていきます。

このように副交感神経は、危険を免れたあとのリラックス状態を得る働き(休むという働き)と体を治す(内臓の活動)という2つの働きを持ちます。

見た目は休んでいても内臓はむしろ活発に動いているわけです。なので交感神経=アクセル、副交感神経=ブレーキとは一概には言えないということですね。

まとめ

以上のように、副交感神経は交感神経と拮抗(互いに張り合って)して体の機能を調節しています。

最後に副交感神経の働きを敵との戦いを終えたところを想像して覚えておきましょう。

精神活動:抑制する(アセチルコリンで休息状態)
瞳孔:縮小する(目を見開いて見る相手はもういない)
涙腺:刺激する(あー恐かった・・・って泣く)
唾液腺:分泌する(こんなもん唾つけときゃ治る)
血管:広がる(広がると流れは穏やか、筋肉への血流はもういらない)
血圧:低下する(上と同じ)
心拍数:減少する(上と同じ)
気管支:狭める(そんなに酸素もいらない)
消化器:促進する(栄養を消化吸収して血や肉を作り修復しましょう)
膀胱:排尿する(やっとおしっこする暇ができた)

こんな感じですね。

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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