私たちの身体は、見た目こそ変わらないものの毎日代謝を繰り返し生まれ変わっています。
特に成長期の子どもにおいては、細胞分裂が盛んに行われているため、成長やDNA形成に材料が必要になります。
そこで今回は「葉酸の働きと食品」についてお話しします。
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Contents
葉酸の働き
異常出産を防ぐ
ビタミンB群の一種である葉酸には、奇形児(二分脊椎症)を予防する働きがあります。また、出産に限らず、細胞分裂の際に生じると言われているDNAのミスコピーを防ぐことから、肺がん、直腸がん、子宮頸がん予防にも効果を発揮します。
美肌、口内炎予防、そして・・・
ビタミンには美肌効果や口腔内健康維持に役立ちますが、それだけではありません。葉酸を含むビタミンB群は、脳や心臓の活動を守る、気分を高める、クエン酸回路+電子伝達系を動かす働きがあります。
クエン酸回路+電子伝達系について知りたい方はこちらをお読みください。
→『5分でわかる!体温を高めることで得られる4つの効果【仕組みと現状】』
血中ホモシステイン濃度上昇を抑える
人は加齢に伴い血中ホモシステイン濃度が上昇することが分かっています。ホモシステインは別名「神経毒」と言われており、体内に蓄積されると高ホモシステイン血症を招きます。
高ホモシステイン血症はやがて動脈硬化を引き起こし、最終的に心筋梗塞、脳卒中につながります。
葉酸はその血中ホモシステイン濃度を抑える働きがあります。
その他
・母乳の出をサポートする
・脳の発育促進
・貧血予防
・痛風、腎臓結石、関節炎の予防や改善
・うつ病、統合失調症、認知症の予防や改善
・ビタミンB12とともに造血に働く
葉酸不足による影響
葉酸のみならずビタミンB群は脳神経、心臓、粘膜、造血、精神、エネルギー代謝など、多くの働きがあります。そのため、葉酸不足による影響も多岐に渡ります。
・口内炎、舌炎
・疲労感
・悪性貧血
・胃潰瘍
・十二指腸潰瘍
・食欲不振
・下痢
・神経管閉鎖障害(無脳症、二分脊椎症)
・胎児、乳児の成長に悪影響
・高ホモシステイン血症
(動脈硬化、脂質異常症、うつ、心筋梗塞、脳卒中)
成長期のお子さんは、細胞分裂が盛んであり大人より葉酸を多く消耗しています。そのため、葉酸貧血になりやすいので注意が必要です。
葉酸を含む食品
・焼きのり
・岩のり
・煎茶
・抹茶
・玉露
・鶏レバー
・牛レバー
・枝豆
・モロヘイヤ
・ブロッコリー
・ほうれん草
・しいたけ(乾)
葉酸摂取時の注意事項
カテキンが葉酸の吸収を阻害する
日本茶には葉酸を多く含むという特徴がありますが、カテキンも多く含んでいます。そして、このカテキンには葉酸の消化管吸収を阻害することが分かりました。妊娠前後の女性やお子さんが飲まれるお茶においては高濃度カテキンを含むものは避けたほうが良いかもしれません。
葉酸のタイプを選ぶ
葉酸を摂取する上で注意しておきたいことがあります。それは、葉酸にはタイプがあるということです。葉酸には合成型の葉酸と天然の葉酸塩というものがあります。
サプリメントの多くは合成型の葉酸であり、このタイプではそのまま体内で使うことができません。(肝臓内での代謝と十分なビタミンB2、B3、B6、C、セリンが必要です)
そのため、葉酸を効率よく摂取するには食事から天然の葉酸塩を摂取するか、生理活性の高いメチル葉酸塩のサプリメントを選ぶことが大切です。
最近の報告では、合成型の葉酸の血中濃度が上昇すると、がんや認知症の発生率が高まることが報告されています。ちなみに、天然の葉酸塩ではそのような心配はないそうです。
まとめ
以上のように、葉酸が身体に与える恩恵は大きく、逆に葉酸が不足した時の影響も深刻なものになります。症状がないから安全というわけではありません。
そのため、普段から予防的観点に立ち、食生活を送っていただけたらと思います。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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