私たちが日々の生活を元気に送るためにはエネルギーが必要です。そして、エネルギーは普段の食事から取り込んでいる栄養素から作られます。
この栄養素からエネルギーを作る過程を代謝と言います。この代謝には主となる栄養素(三大栄養素)と代謝に関わるビタミンやミネラルが必要です。
そのため、代謝に関わるビタミンやミネラルを知ることは、普段の食事をより効率的なものに変えることができます。
そこで今回は「ビタミンB1の働きと食品」についてお話しします。
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Contents
ビタミンB1の持つ2つの働き
ビタミンB1は私たちの生活に欠かすことのできないものです。では、ビタミンB1にはどのような働きがあるのでしょうか?
糖質をエネルギーに変える
ご飯やパンなどの炭水化物は、食物繊維と糖質から構成されています。そして、糖質が体のエネルギー源として使われます。食事から摂られた糖質は、糖代謝(解糖系)、クエン酸回路・電子伝達系を経てエネルギーに変わります。ビタミンB1はこのエネルギーを作る作業過程で必須であり、重要な働きをします。
解糖系、クエン酸回路・電子伝達系ついて知りたい方はこちらをお読みください。
→『5分でわかる!体温を高めることで得られる4つの効果【仕組みと現状】』
中枢・末梢神経を調整する
ビタミンB1は、神経の健康にも役立っています。ビタミンB1の働きによって中枢神経が安定すると、記憶力が良くなったり、集中力が高まります。また、末梢神経が安定すると身体能力の向上や自律神経の安定につながります。
ビタミンB1不足による影響
そして、エネルギーを作り、神経系を調整するビタミンB1が不足すると以下のような症状が現れます。
・エネルギー不足(朝が辛い、食欲不振、眠気、集中力低下)
・疲労
・倦怠感
・脚気
・ウェルニッケ症候群
・中枢神経障害(眼球運動障害、意識障害、歩行障害、知能障害、記憶力の低下)
・末梢神経障害(知覚障害、運動麻痺、むくみ、四肢の痺れ、自律神経失調症)
ビタミンB1不足の代表的な症状に「脚気」があります。江戸時代に江戸で大流行したことから「江戸患い」と呼ばれていた病気です。この時代では、お米が主食となっておりかつ、おかずが少なかったことが特徴です。そのため、ビタミンB1の摂取が少なくなり中枢・末梢神経に影響を与え、手足のしびれや全身倦怠感、血圧低下などの症状が現れました。
脚気は昔の流行病ではありますが実は今、偏食をする人や一人暮らしの高齢者などに再び脚気の症状がみられるようになりました。現代の食生活を見て頂ければお分かりだと思いますが、現代では一品料理が多くなりました。
チャーハン、ラーメン、スパゲティーなどが代表的です。これらは、手軽にコンビニで買えるようになり、一人暮らしの高齢者においても、自分一人にご飯を作るような習慣がなくなってきています。
これらを理由として、ビタミンB1が不足するため意識的に摂っていくことが重要と考えられます。
また、定期的に運動をして汗をかく人や、甘いものが大好きな人、アルコールを良く飲む人はビタミンB1が不足しやすいので注意が必要です。
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ビタミンB1を含む食品
では、ビタミンB1が不足しないようにするためにはどのような食品を食べれば良いでしょうか?下記の食品にビタミンB1が含まれていますのでご参照ください。
・豚ヒレ肉
・豚モモ肉
・うなぎの蒲焼き
・たらこ
・エンドウ豆(茹で)
・大豆(茹で)
・松の実
・ひまわりの種
・玄米ごはん
・胚芽米ごはん
・のり
・かぶのぬか漬け
・大根のぬか漬け
・そば
豚肉にビタミンB1が多く含まれていることは有名ですよね?最近の家庭では、おにぎりやラーメンなどの炭水化物メインの食事が多くなってきています。ビタミンB1摂取とあごを強くするためにも是非、お子さんにはお肉をかじりつかせてください。
ビタミンB1の上手な摂り方
最後に、ビタミンB1を効率的に摂取するコツをお教えします。
ニンニク、ネギ、玉ねぎ、ニラと一緒に摂る
ビタミンB1はもともと水溶性のビタミンであるため、体に溜めておくことができません。しかし、ニンニクやネギ、玉ねぎ、にらなどに含まれるアリシンと一緒に摂取することで血液内に留めることができます。そのため、豚肉料理をするときはこれらの野菜と一緒に調理するとビタミンB1を効率的に摂ることができます。
白米を胚芽米に変える
ビタミンB1は精白されたものに乏しく、未精製の食材には多く含まれています。そのため、玄米や胚芽米にすることで比較的多くのビタミンB1を摂取することができます。ただ、未精製のお米では消化吸収不良や毒素の問題もあるため食べ過ぎには注意しましょう。
ぬか漬けにして食べる
玄米から削ぎ落した糠には栄養がたっぷり含まれています。生野菜よりもぬか漬けにすることでビタミンB1が2.5~10倍もアップします。食べ過ぎると塩分過多になるため、適度に摂るようにすると効率的にビタミンB1を補給することができます。
サプリメントとして摂る
現在では、コンビニなどでもサプリメントを購入できるようになりました。忙しい生活の中で料理に時間をかけることができないときはサプリメントで補充することも必要な手段と考えます。
まとめ
以上のように、ビタミンB1は現代人には不足しがちなビタミンです。偏った食事がその原因であるため、普段の食事には必ず野菜や肉などのおかずをつけることが良いと考えられます。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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