現在、冷え症は女性に限らず男性においても問題となっている悩みの1つです。
体内で起こる営み(体を動かすこと、食べた物を消化すること、風邪を引かないように免疫を高めることなど)は体温という「熱」を持つことによって円滑に行われます。
そのため、冷え症になり、体内に熱を保持することができなくなるとさまざまな不調が現れます。それは、体のだるさや無気力、便秘などの未病で済むこともあれば、風邪やケガ、がんなどの大きな病気につながることもあります。
これらのことからも、自分の体温を適度に高い状態に維持できることは健康的な人生を送るために必須の条件となります。
そこで今回は「冷え症の原因と冷え症を治すためにすべきこと」をお話しします。
Contents
冷え症の原因
冷え症を治すためにはやはり冷え症を招く原因を知っておくことがなによりも大切です。ここでは冷え性の原因についてご説明します。
1.冷たいものを摂りすぎる
夏の暑い時期は特に食べ物や飲み物において、冷たいものを選んでいませんか?体内に冷たいものが入ると体はその冷たいものを温めようとします。この時に、自分の体温を使うことになるため、定期的に冷たいもの(清涼飲料水、お酒、冷たい水、そうめん、そば、冷やし中華、アイスなど)を摂ると冷えの原因となります。
ちなみに、朝1杯くらいの冷たい水なら逆に体温が上がる反応が出現するそうです。(適度の冷たいものは体に「胃が冷えたから全身を温めよう」という反応を生むと言われている)
2.食事量が少ない
これは小食の方やダイエットに励む女性に多い原因です。ダイエットのために食事量を極端に少なくすると、体にカロリーや栄養素が不足します。人の体はさまざまな環境に適応しようとするためカロリーや栄養素が不足すると少ないカロリーや栄養素でも生きていけるように「代謝」を落とします。そして、体ではこの代謝に伴って熱を作り出すようになっています。
つまり、「食事量減少➝カロリー・栄養素不足➝代謝低下➝熱産生低下➝冷え」となるわけです。
発熱のしくみや体温が高いことで得られる恩恵について知りたい方はこちらをお読みください➝『5分でわかる!体温を高めることで得られる4つの効果【仕組みと現状】』
3.入浴をシャワーだけで済ます
現在は、女性も働く時代であり、またお子さんにおいても遅くまで部活動をしたり、塾に通ったりと忙しい日々を送っていると思います。そうなると、睡眠時間を確保するために入浴時は湯船にお湯を溜めずにシャワーのみで済ます人が増えます。特に夏になると忙しさ関係なく、暑いという理由で湯船につからない人も多いのではないでしょうか?
湯船に体を半身または全身つかることにより当然ですが体は温まりやすくなります。そして、全身の血行が良くなるため入浴後も手足はぽかぽかになります。
しかし、入浴をシャワーのみにすると、お湯が体に当たった部位は一瞬温まりますが、すぐに外気にさらされるため体内の熱は体外に放散されてしまいます。
4.筋肉量が少ない
これは先ほどお話しした「代謝」が関係しています。
『5分でわかる!体温を高めることで得られる4つの効果【仕組みと現状】』
↑こちらの記事に書いてありますが、熱産生に必要な代謝は体内のあらゆる部位で行っています。
そして、筋肉もその中の一つであり、体内で行われる代謝の約25%が筋肉が行っています。その筋肉の量が少なければ、もちろん代謝能力も低下することになり冷えの原因となります。男性に対して女性は筋肉量が少ないため、女性に冷え症が多いのも納得できますね。
5.自律神経の乱れ
自律神経は自分の意志とは関係なく体の機能を調節してくれるものです。例えば、心臓の動きや寝ている時の呼吸などは自律神経によってコントロールされているため、私たちが寝て意識を失っていても止まることはありません。
そして、そんな自律神経は血管の動きもコントロールしています。自律神経には日中活動するときに強く働く「交感神経」と夕方リラックスする時や就寝時に強く働く「副交感神経」があります。
これらの神経が働くときに血管は縮こまったり広がったりします。具体的には交感神経が働くときに血管は縮こまり細くなります。そして、副交感神経が働くときに血管が広がります。この2つの神経が交互にバランスよく働くことにより血管はポンプのように収縮と拡張を繰り返して血液を全身に送るわけです。そして、その血流が体温を維持してくれます。
そのため、この自律神経が乱れると交感神経と副交感神経の働くバランスも悪くなるため、血流が滞ります。交感神経が働き過ぎれば血管は縮こまりっぱなしなので手足に血液が届きませんし、副交感神経が働き過ぎれば血管は広がりっぱなしなのでこれもまた血流が手足の先で滞りやすくなります。
どちらに働きが傾いても血流が悪くなるため冷えの原因となります。
自律神経の乱れは生活習慣の不摂生から生じます。
下記に例をあげます。
・食べ過ぎ
・飲みすぎ
・寝不足
・運動不足
・スマートフォン使い過ぎ
・ストレス(職場、夫婦間、友人など)
6.病気が隠れている
過去の記事(めまい、肩こり)でも書きましたが、冷え症という未病にも病気が隠れているケースがあります。そのため、冷え症に伴ってその他に症状がある場合は、病院にかかる必要があります。
病気 | その他の症状 |
レイノー病 | 症状が左右対称に現れる 手指の色が蒼白する(まだら状) 痺れ、チクチク感、灼熱感がある |
バージャー病 | 痺れ、痛みを伴う 足に症状が出現すると間欠性跛行が起こることもある(歩くと痛くなるけど、休むとまた歩ける) 潰瘍 壊死 |
全身性エリテマトーデス(SLE) | 発熱 全身倦怠感 疲れやすい 食欲不振 関節炎 頬にできる赤い発疹 口内炎 脱毛 |
上記のように冷え症に伴ってその他の症状がある場合は病気の可能性がありますので、できるだけ早く病院に受診してください。
冷え症を治すためにすべきこと
では、冷え症を治すためにすべきことはなんでしょうか?それはもちろん、冷え症の原因となっているものを取り除いたり、対処することです。冷え症の原因で挙げた順番に対処方法を説明します。
1.冷たいものを摂り過ぎない
夏の暑い時期でも冷たいものばかり食べたり飲んだりしないようにしましょう。水に限りませんが、飲み物においては常温の方が体内に吸収されやすく胃腸の負担も減らすこともできますよ。
2.食事をしっかり摂る
先ほどお話ししたように体にカロリーや栄養素が不足すると、代謝が低下して熱が作られません。そのため、食事は三食しっかり摂るようにしましょう。特にたんぱく質を多く摂ると食事により熱が作られる(食後産生熱)ので効果的です。
ちなみにダイエットで食事量(カロリー)を制限する人がいますが、結局代謝が落ちてしまって痩せにくくなりますし、冷え症は改善されません。そのため、カロリー制限はおすすめしません。
ダイエットが成功し冷え症も改善する方法を教えてくれる場所がありますのでご紹介しておきますね。➝『体質改善ダイエットサロンLeaf』
3.ゆったりと湯につかる
シャワーのみでは体は冷えてしまうので、しっかりと湯船に浸かるようにしましょう。入浴には、「気持ちがいい」と感じる温度が良いと言われてより、それは、体温+4度と言われています。なので、ご自分の体温が36℃である場合は、40度のお風呂が最適な温度となります。そのようなお風呂に全身であれば10分程度、半身浴であれば30分程度浸かることが推奨されております。育児で忙しいお母さんは全身で10分程度になるかと思います。
4.適度な運動をする
運動をして筋肉量を増やすことが冷え改善には必要になりますが、激しい運動は交感神経を強く働かせるため逆効果になります。また、筋肉量は活動によって決まりますので、激しい運動でついた筋肉量を維持するためには定期的かつ永続的に激しい運動を続けない限り維持できません。そのため、運動でつける筋肉は適度な範囲に留めることをおすすめします。つまり、毎日または週に3回は続けられる、続けたいと思える程度の運動を選びましょう。ウォーキングなどが無難ですね。
5.自律神経を整える
自律神経が乱れることにより血流が滞って冷え症になるため、自律神経が乱れる原因を極力取り除きましょう。身近な所では、早寝早起き、寝る1時間前のスマホはやめる。食事は一口30回は噛むようにしたり、腹八分目にする。精神的ストレスは現代社会ではなかなかは維持しきれないため、ウォーキングなどの軽い運動によりストレス緩和を図ることも大切です。
精神的ストレスに強くなる方法を知りたい方はこちらをお読みください。
➝『紙とペンで出来る!ポジティブ思考になれるビリーフワークのやり方』
冷え症改善運動
では、最後に冷え症に関わる自律神経の働きを整えるための運動をご紹介します。
自律神経には交感神経と副交感神経の2つがあることはお話ししました。そして、体においてそれぞれの神経と関係が深い部位があります。それは背骨と骨盤です。
正確に言うと、交感神経と関りが深いのが「胸椎」という場所です。体を横から見たときにちょうど丸まっているところです。肩甲骨の高さくらいですね。
一方、副交感神経と関りが深いのが「仙椎」です。お尻の割れ目のすぐ上になります。
この部位を動かすことにより各神経が刺激され自律神経が整っていきます。
1.胸椎ねじり運動
① 壁を背にし、20~30cm離れて立ち、両足を腰幅に開きます。
右足を壁と平行にし、左足は斜め45°内側に向け、両手を胸の前で広げます。
② この状態で上体を右側にねじり、両手を壁にタッチします。
首も右回りに向けるところまで回します。
④ 頭と壁を平行にして上体を壁の方に倒していきます。
ここで壁に体重をかけたまま、自然な呼吸を3~5回。反対側もやっていきましょう。
この運動を左右2セットずつ行うようにしてください。
2.骨盤運動
仙椎を刺激するには骨盤全体を動かすことが大切です。
① 足をできるだけ大きく開き椅子に座ります。この時、膝は90°曲げてください。
また、膝とつま先の向きは合わせるようにしてください。
② 息を吐きながら上半身を倒していきましょう。倒すときは両肘を床につけるイメージを持つようにしてください。
上半身を前に倒していくと足の付け根(そけい部と言います)あたりにつまった感じがしますので、意識的に付け根のつまり感を解きほぐしていきましょう。付け根に氷があるとして、意識的に溶かしていく感じです。じわーっと倒れていきましょう。
この運動をリラックスしながら3~5回繰り返します。
これらの運動(胸椎ねじり運動、骨盤運動)を毎日行うことにより、自律神経が整っていきます。
まとめ
今回は、冷え症の原因と冷え症を改善させるためにすべき5つのことについてお話ししました。そして、効果的な冷え症改善運動をご紹介しました。
人は体温が1℃低下すると免疫が30%低下すると言われています。
そして、その体温は普段の生活習慣に大きく影響を受けます。そのため、ご自分の生活を今一度振り返り、今回の内容に当てはまる場合は是非、生活習慣を一つでも改善できるように取り組んでみましょう。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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