肩こりは、腰痛に並んで日本人の有訴率No.3に入り続ける悩みの1つです。
今、この記事を読まれているあなたも慢性的に肩こりに悩むお一人ではないでしょうか?
肩こりは肩周囲の筋肉の鈍い痛みや重量感、圧迫感、違和感などの総称(ひとくくりにしたもの)です。
鋭い痛みではないため、なんとか生活がままなることを理由に市販の湿布などで済ませている方が多いのではないかと考えています。(まぁ、病院に通っても一般的な整形外科では治るものではないですが・・・)
しかし、私がこのブログでお話ししたように肩こりなどの未病を放っておくと、やがて病気に変化する可能性があります。(頸椎症、頚椎ヘルニア、肩関節周囲炎、五十肩など)
詳しくは私のプロフィールをお読み下さい。→『プロフィール』
そのため、今、肩こり程度で済んでいるうちに原因を知り、対処しておくことは病気を未然に防ぐことにつながります。
そこで今回は「肩こりの原因と肩こりに効くツボ・体操法」についてお話しします。
肩こりには2種類ある
肩こりと言っても、種類があるのをご存知でしたか?肩こりの種類によって関係してくる筋肉が違うため、体操においてはあなたに合ったものを選ばないと効果が半減します。
肩こりには大きく分けて2種類あり、「なで肩の肩こり」と「いかり肩の肩こり」があります。鏡の前でご自分の肩のラインを見ていただくと分かりやすいと思います。
分かりにくい場合は、友達や家族の方に背中側から見てもらうと良いでしょう。
まずは、ご自分の肩がどちらの種類なのか確認しておいてください。
肩こりの原因
1.運動不足
電化製品の進歩により、掃除すらロボットがしてくれるようになりました。最近では車も自動運転機能がついたりして・・・(ただでさえ車の時点で歩かなくなったというのに・・・)
このように、現代社会は私達の生活を豊かにしてくれる代わりに、運動をする機会を奪っているとも言えます。
これらの理由により、筋肉を働かせる時間が減ると、血の巡り(血流)に関わる血管や老廃物除去に関わるリンパ管を刺激しなくなるため、血流や老廃物が滞ります。
これが肩周辺で起こると肩こりにつながるわけです。
2.不良姿勢
みなさんは自分の頭が何kgあるかご存じでしょうか?実は、頭の重さは自分の体重の約10%(正確には8~13%)あると言われています。
体重が50kgの人であれば、頭は約5kgあるということになります。5kgと言えばお米の袋くらいはありますよね?結構重たいですよね。
そして、この頭を肩まわりでは筋肉を使って支えています。
頭が前に傾けば首や肩の後ろの筋肉を使って頭が前に倒れるのを食い止めます。頭が後ろに傾けば首や肩の前の筋肉を使って頭が後ろに倒れるのを食い止めます。
そして、最近ではスマートフォンの普及により下を向いて画面を見ることが多くなりました。これにより首を含めた肩まわりの筋肉の緊張を高める時間が増え、肩こりにつながっていると考えられます。
3.冷え性
夏の暑い時期は室内でガンガンにクーラーを効かせることが多いと思います。また、こういう時期は、食べる物も冷たい物が多くなりますよね?
こういった生活を送ることにより皮膚表面だけでなく、全身から体が冷えていきます。
そして、冷えた体の中を通る血液もドロドロになり、流れが悪くなって疲労物質(乳酸)や老廃物が溜まることにより肩こりが生じると考えられます。
4.自律神経の乱れ
上記の内容から分かるように、肩こりの原因には筋肉の緊張や血流が関係しています。そして、その血流を管理している血管は自律神経によって調整されています。
自律神経について詳しく知りたい方はこちらをお読み下さい。
→『不調がスッキリ!今すぐできる自律神経を整える5つの方法【保存版】』
つまり、自律神経が乱れると血流が滞ったり、筋肉の緊張が高まるということです。
では、自律神経はどうすると乱れてしまうのでしょうか?それは、生活(食事・睡眠・運動)が不摂生になることで乱れます。
詳しい内容は過去の記事に任せますが、
→『朝から元気に起きれる!体のリズムに合わせた上手な食べ方』
→『しっかり寝れて朝スッキリ!超簡単、ぐっすり寝るための3つのコツ』
→『いつすればいい!?自律神経を整える、体のリズムに合わせた運動方法』
簡単に言うと、食事は食べ過ぎたり、夜遅くの食事をすると自律神経が乱れます。睡眠は夜遅くまで起きていたり、睡眠時間が短いと乱れます。運動も自分の体力に合っていなかったり、朝からハードな運動をすると乱れます。
これらの生活を繰り返すことにより、自律神経が乱れて血管が細くなり、血流が滞ると筋肉のコリに変わります。もちろん、先ほどお話ししたように、自律神経が乱れることだけでも筋肉の緊張は高まるので肩こりの原因となります。
5.一点を集中して見る
先ほどのスマートフォンともつながりますが、目で一点を集中して見ることにより、肩まわりをはじめとした全身の筋肉の緊張が高まることが分かりました。
特に目の動きと首の骨(頸椎)との関係は深く、目の動きが悪くなると首の動きも悪くなり、首まわりの筋肉も硬くなると言われています。
ちなみに、本を読むときは文章を目で追っていくので(目が常に動くので)筋肉の緊張は上がりにくいと言われています。もちろん、集中しすぎたり、読む時間が長ければ肩こりの原因ともなりますのでご注意下さい。
6.病気が隠れている
最後に気をつけて頂きたいのは、肩こりには病気が隠れている可能性があるということです。
症状として、肩こりが当てはまる病気の一例としては・・・
病気 | その他の症状 |
頚椎椎間板ヘルニア | 首の痛み 手の痺れ 腕や手の筋力低下 |
五十肩 | 肩の痛み(夜間痛が特徴) 肩関節の運動制限 |
胸郭出口症候群 | 首、方、腕の痺れ ちくちくした痛み 指先が不器用 握力低下 |
狭心症 | みぞおちの痛み 胸の圧迫感 左肩のみの痛み |
胆石 | 右季肋部痛(右肋骨の一番下あたりの痛み) 背中の痛み(右肩甲骨の下から腰にかけて) 発熱 |
以上のように、整形外科的病気のみならず、内科的な病気からも肩こり症状が現れることがあります。ポイントは、肩こりと一緒にその他の症状が現れるということです。
痺れや筋力低下を伴う場合は、整形外科的病気を疑いましょう。また、片側のみの肩こりや肩以外の痛み、胸のしめつけ感、熱発などがある場合は内科的病気を疑うようにしましょう。
特に内科的疾患の場合は、内科的症状を伴うのでよく覚えておいてください。例えば、発熱、発汗、吐き気、嘔吐、下痢、顔面蒼白、めまい、疲労、体重減少などです。
肩こりに効くツボ
では、肩こり改善に向けてお話しをしていきます。まずは肩こりに効くツボですが、これは前回の記事にも載せたやり方ですのでおさらいしておきましょう。まだ、読まれていない方はこちらで覚えていきましょう。
【やり方】
体に対して直角になるように親指や人差し指で押す。手が届かない所は家族の人に押してもらうか、ボール(テニス、ゴルフ)などに乗り、体重で押す。
【Point】
入浴前に行うと血行がさらに良くなる。
【注意】
強くやり過ぎると筋肉を傷つけるので力を入れ過ぎないようにする。
「風池」は生え際にあるツボです。親指で頭の中心に向かって押すことがポイントです。
「肩井」は肩関節から第7頸椎棘突起という部位までの距離のちょうど真ん中にあるツボ。第7頸椎棘突起は後ろから首の付け根を触っておき、顎を引きながら下を見ることで、出っ張ってきますので触りやすいです。
骨格や筋肉には個人差がありますので、図の場所よりツボが多少ズレていることもあります。その場合は、押さえていく時に「痛気持ちいい」または「痛い」「コリっとしている」場所を探しましょう。
また、痛すぎて押しにくい時は指の腹や手のひらで優しく押していくようにしましょう。
まずは準備体操
肩こりに効く体操(ストレッチ)を行うには、該当する筋肉が正しく伸ばされる必要があります。しかし、肩こりになっている方のほとんどが体にゆがみがあります。
そのため、そのまま体操(ストレッチ)を行っても、効率的に筋肉が伸ばされないことがあります。
そこで大切になるのは「準備運動」です。
先に肩甲骨を動かすことで体のゆがみをできるだけ正しい位置に戻しておきます。
1.肩甲骨2時-6時-10時運動
椅子に座り両肩を2時の方向に引き上げて5秒止める
↑ ↓
両肩の力を抜いて6時方向に戻し5秒休む
↑ ↓
両肩を10時の方向に引き上げて5秒止める
↑ ↓
両肩の力を抜いて6時方向に戻し5秒休む
この動きを3~5回繰り返しましょう。
2.肩甲骨平泳ぎ運動
椅子に座り、平泳ぎのように両肩を前に突き出し、両方の肩甲骨を離し合い5秒とめる
(この時、あごは引いておく)
↑ ↓
両肘を後ろに引いて、両方の肩甲骨を寄せ合い5秒とめる
(この時もあごは軽く引いておく)
この動きを3~5回繰り返しましょう。
3.肩甲骨時計-反時計回り運動
一方の腕は、大きく上げて頭の上を越えるようにする
もう一方の腕は背中の後ろに回すように大きく動かす
そこで5秒とめる
↑ ↓
反対側も行う
これは座って行っても、立って行っても構いません。
この動きを3~5回繰り返しましょう。
肩こりに効く体操(いかり肩の場合)
それでは、準備運動が終わったところで早速肩こりに効く体操に入ります。
まずは「いかり肩」で肩こりになっている人に効果的な体操です。
1.耳-肩近づけストレッチ
左右交互に行いましょう。
ストレッチの時間は10~20秒間、休みながら3セット行いましょう。
2.鼻-肩近づけストレッチ
左右交互に行いましょう。
ストレッチ時間は10~20秒、休みをはさみながら3セット行いましょう。
3.肩甲骨引き下げ運動
両肘と肩甲骨を一緒に引き下げて5秒とめる。そして、両肘を肩の高さに戻したら再び引き下げて5秒とめる。
この運動を10回ほど繰り返しましょう。いかり肩の人は肩甲骨を持ち上げる筋肉(僧帽筋上部線維、肩甲挙筋と言います)が緊張しているため、肩甲骨を下げる運動を繰り返すことによりその筋肉がストレッチされます。
肩こりに効く体操(なで肩の場合)
次は、「なで肩」で肩こりになっている人に効果的な体操です。
1.鼻-肩近づけストレッチ
いかり肩の運動と同じです。
なお、「耳-肩近づけストレッチ」はなで肩の人には逆化効果になりますのでやらないでください。
左右交互に行いましょう。
ストレッチ時間は10~20秒、休みをはさみながら3セット行いましょう。
2.肩甲骨持ち上げ運動
いかり肩で紹介した「3.肩甲骨引き下げ運動」の逆になります。
両肘を肩の高さに挙げた位置からスタートします。
両肘と肩甲骨を一緒に持ち上げて5秒とめる。そして、両肘を肩の高さに戻したら持ち上げて5秒とめる。
この運動を10回ほど繰り返しましょう。なで肩の人は肩甲骨を持ち上げる筋肉(僧帽筋上部線維)が弱っているため、肩甲骨を持ち上げる運動を繰り返すことにより筋力が強化されます。
なお、腕を体側につけたまま肩をすくめるような運動をすると逆効果になりますので必ず、両肘を肩の高さまで上げた位置から行ってください。
まとめ
今回は、肩こりの原因から肩こりに効くツボ、体操についてお話ししました。
肩こりは普段の生活に大きく影響を受けます。また、肩こりに伴って筋力低下やしびれ、内科的症状(吐き気や動悸など)がある場合は、病気が隠れているかも知れませんので、ご自分の肩こりとその他の症状がないかは普段から見直すようにしてください。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。
今回の内容が、あなたのお役に立ちましたら、是非、facebookページ(自律神経サポート)への「いいね!」およびTwitter(未病改善セラピスト)の「フォロー」をお願い致します。m(__)m
最近のコメント