めまいや吐き気、倦怠感など、ひとにはあらゆる体調不良があります。そういった場合、私たちは病院に行きます。
しかし、病院で各検査を行って異常が見つからない場合、「大丈夫ですよ。異常ありません。」としか言われません。
治療としてもビタミン剤が処方される程度でしょう。
ですが、実際に体調不良になっているのは事実です。
こういった体調不良を「未病」と言います。
未病は病気の前段階の症状であるため、病気を扱う病院では対応できません。
そのため、未病に対しては病院治療のベースとなっている「西洋医学」ではなく「東洋医学」が適しています。
東洋医学は難しい、怪しいというイメージがありますが、現在では研究も進んでおり注目されている医学でもあります。
今後、起こりえる大病を避けるためにも、是非、東洋医学について知識を深めておきましょう。
そこで今回は「東洋医学のしくみ」についてお話しします。
西洋医学と東洋医学の違い
まずは、私たちの身近にある医学について簡単に知っておきましょう。
先ほどお話ししたように、病院治療のベースとなっているのが西洋医学になります。
西洋医学は、体を作る細胞や臓器に何かしらの異常が起きたときに病気になると考えます。
そして、さまざまな検査をして、病気の原因を見つけ、その結果から病名を決定し、異常が起きている局所を治療します。
しかし、人間において体調不良があっても、検査に異常がないことは多々あります。
すると、西洋医学ではそれを病気とは見なさず積極的な治療は行いません。局所に異常がなければ治療しようがないのです。
これに対して、東洋医学では、体と心をひとつのものとして捉え、その人の体質や生活習慣、体内バランスの乱れが病気の原因だと考えます。
今、その人に生じている症状に着目して、体のバランスを整えることで、自身の持つ自然治癒力を高めようとする治療を行っていきます。
簡単にイメージするならば、西洋医学は体の外側から治す。東洋医学は体の内側から治すという感じです。
ちなみに、これらの医学は、どちらかが優秀というわけではありません。各々が利点、欠点を持っているため、使い分けが大切ということです。
図解 東洋医学のしくみと治療法がわかる本 P.25
日本の東洋医学といえば漢方医学
東洋医学には、中医学(中国)、韓医学(韓国)、アーユルヴェーダ(インド)、チベット医学(チベット)などがあります。
そして、日本には中医学と韓医学が融合した漢方医学があります。
漢方医学には漢方薬をはじめ、さまざまな治療法があります。以下に内容を挙げておきます。
- 漢方薬:天然由来の生薬を組み合わせたもの。
- 按摩:体のツボを刺激して気の流れ、血の流れ、リンパの流れを改善する。
- 鍼:体中にあるツボを鍼で刺激して気・血・リンパの流れを改善する。
- 灸:鍼と同じように、体中のツボに刺激して気・血・リンパの流れを改善する。
- 外科:生薬を配合した軟膏で皮膚疾患や痔などを治療する。
- 養生:食事、生活習慣を規則正しくして、体のバランスを整える。
このように、多方面から体のケアを行い、自ら体を治していけるように支援するのが漢方医学です。
そして、冒頭でお話ししたように、漢方医学は、未病の治療に適しています。未病とは「病気になっていないが、病気に向かっている状態」を言います。
何度も言いますが、病院は「病気になった人」を相手にしていますので病気に向かっている状態の人には対応できません。
未病の種類と症状
改めて未病の種類と症状についてご紹介しておきます。ご自分の症状と照らし合わせてみてください。
未病の種類には3種類あります。
① 検査値に異常が見られないが自覚症状がある。
これは、東洋医学的未病と言います。めまいや不眠、頭痛などがあるが、検査値に異常がないため、病気と扱ってくれません。
② 自覚症状はないが検査値に異常がある。
これは、西洋医学的未病と言います。血圧や血糖値などに異常があるが、本人に自覚症状がないため、放置されがちです。
③ 医学的に治療を終えたが、完治した感じがしない。
内服や点滴、手術などの治療が成功し、退院となっても「治った」という感じがしない。これも立派な未病です。
次に、未病の症状について挙げていきます。
[生活習慣病]
脂質異常、高血圧、高血糖、メタボリックシンドロームなど。生活の不摂生が原因で起こるもので、自覚症状が乏しい。
[不定愁訴]
頭痛、めまい、むくみ、肩こり、冷え症、不眠、動悸、呼吸苦など。自覚症状はあるけど検査値に異常が見られない。
[ストレス]
精神的、肉体的ストレスによって現れる症状。下痢、便秘、頭痛、腹痛、吐き気、嘔吐、不眠、冷え症、食欲不振、過食など。
[アレルギー]
通常では異物と判断されない物(食べ物、ホコリ、花粉など)に対して過剰に反応してしまう状態。花粉症、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、喘息など。
[精神の乱れ」
抑うつ感、食欲不振、倦怠感、イライラ
[体質]
親からのDNAや遺伝、自身が持つ体質から現れる症状。虚弱、代謝の低下、低血圧など。
以上のように、未病にはさまざまな症状があります。ご自分の症状を振り返ってみると意外と多く当てはまると思います。
まとめ
今回は、東洋医学のしくみと未病について簡単にお話ししました。普段、私たちに現れる症状のほとんどが未病であることが分かったかと思います。
ということは、治すのも悪化させるのも自己責任の範囲であるということです。
ご自分に現れた未病が病気に進行しないように、東洋医学について少しずつ知識を深めて頂けたらと思います。
次回は、もう少し漢方医学について詳しくお話しします。興味があられる方は是非お読み下さい。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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