他の病気になることも!?痛み止めではケガは治らない理由を簡単解説

薬

あなたのまわりにはケガをしたらすぐに痛み止めを服用してしまう人はいませんか?

ケガをすると痛みが出て、不快になるので痛み止めに頼りたくなる気持ちはよく分かります。

しかし、ケガ=痛み止めというように習慣的に痛み止めに頼っている人もいるのではないでしょうか?

実は、その痛み止めがケガの治りを悪くさせているかもしれません。そればかりでなく、痛み止めの常用が新しい病気を作る可能性もあるのです。

そのため、薬において正しい知識を身に着けておくことはケガを早く治すだけでなく、病気の予防につながります。

そこで今回は「痛み止めではケガが治らない理由」についてお話しします。

ケガをする時は交感神経優位

最初に、ケガをする時の体の特徴について知っておきましょう。私たちがケガをしやすいのは自律神経の中の交感神経が強く働いている時です。これを「交感神経優位」といいます。

体の中の神経には、自分が意図して働かせることのできる「体性神経」と自分が意図して働かせることのできない「自律神経」があります。

肘を曲げたり、足を挙げたりする時に働くのが体性神経になります。私たちは意図して肘を曲げたり、足を挙げたりできますよね?

逆に、体の中で私たちが意図して働かせることができないものはなんでしょうか?それは心臓や内臓です。これらは自律神経が勝手に働き、動かしてくれます。

そして、自律神経には活動・興奮状態を作る「交感神経」と休息・リラックス状態を作る「副交感神経」があります。

ここで、イメージしてほしいのは、どちらが強く働いていると体が硬くなるかです。

自律神経活動

写真を見て頂けたら一目瞭然ですね。そうです。交感神経が強く働く時に体は硬くなります。そして、硬くなった体はビー玉のようなものですから、少しの刺激でも簡単にかけてしまいます。つまり、ちょっとした運動でケガをしてしまうわけです。

逆に副交感神経が強く働いている時は体が柔らかくなります。例えるならピンポン玉のようなものです。ピンポン玉なら高いところから落としてもかけたり、割れたりしませんよね。

以上のように、人がケガをする時は交感神経が強く働いていることがほとんどです。

ケガを治すときは副交感神経優位

では、ケガをした後の自律神経の状態はどうなっているのでしょうか?実は、副交感神経が強く働き始めます。これを「副交感神経優位」といいます。これはケガを治すためです。これを「治癒反応」といいます。

ケガをしたということは、筋肉や皮膚、靭帯などを損傷したということになります。

損傷したということは、そこの細胞は死んでしまったということです。死んでしまった細胞には要はありません。そのため、患部には血液を送り届けて、死んだ細胞を除去したり、そこに新しい細胞の材料を届ける必要があります。

それには、血液が流れている血管を広げる必要があります。その血管をコントロールしているのが自律神経なのです。

具体的には「交感神経活動=血管収縮」「副交感神経活動=血管拡張」となります。つまり、ケガを治すためには副交感神経が働き、血管を広げて、患部に血液を多く届ける必要があるのです。

そして、この副交感神経の働きによって痛みが出現します。

痛み止めは交感神経刺激薬

上記で述べたように、ケガをする時には交感神経優位となっており、ケガをした後は副交感神経優位となり、治癒反応が進みます。

ただ、副交感神経が優位となり血管が広がる時には、もれなく「痛み」がついてきます。

これが、私たちを悩ませる種になるわけです。

そのため、私たちはこの痛みから逃れるために痛み止めを飲みます。これで、痛みは落ち着きます。

しかし、痛みと血管拡張はセットになっているため、痛みを落ち着かせると、もれなく血管も収縮してしまいます。つまり、交感神経刺激となってしまうわけです。

交感神経が優位となり、血管が収縮してしまうと血液の流れは悪くなります。そうなれば、患部の治癒は滞ってしまいます。要はケガが治りにくくなるわけです。

以上のように、痛み止めは痛みを取ってくれるかわりに交感神経を刺激して、治癒を遅らせてしまいます。

痛み止めで他の病気になる可能性が上がる

そして、血液の流れが悪くなるとケガが治らないばかりでなく、他の病気になる可能性が高くなります。

これは、マウスを使った実験ですが、マウスにインドメタシン0.1mg(消炎鎮痛剤)を6日間続けて投与し、7日目に観察したところ、肝臓、脾臓、手先の血液に顆粒球の増加が認められました。

顆粒球とは白血球の一種で、体の中に入ってきたばい菌を攻撃しやっつけてくれるものです。そのため、体には必ず必要なものになります。

しかし、顆粒球が増えすぎるとばい菌以外にも攻撃を始めてしまいます。つまり、体の中の正常細胞まで傷つけてしまうのです。

そして、正常細胞の損傷と再生を繰り返すときに「細胞のコピーミス=がん」が生まれてしまうのです。

以上のように、痛み止めを習慣的に服用し続けることは、ケガの治りを悪くするだけでなく、他の病気を作ってしまう可能性があります。

まとめ

今回は、「痛み止めではケガは治らない理由」についてお話ししました。今回の内容を読んだ方は「では、痛み止めはどんなことがあっても飲まない方が良いの?」と感じたかと思います。

それは違います。痛み止めとうまく付き合う必要があるということです。

詳しくはこちらをお読み下さい。→知らないと危険!!体に負担がかからない正しい薬の使い方

以上、最後まで読んで頂きありがとうございました。

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