5分で分かる!がん予防に必要な有酸素代謝と生活のコツ

皆さんは有酸素性代謝と無酸素性代謝という言葉をご存知でしょうか?最近は健康関連のテレビも増え、耳にしたことがある方は多いのではないかと思います?

代謝とは、食べ物からエネルギーを作る一連の流れを言います。そして、これは体を作る何兆もの細胞が行っています。

体はこの二つの代謝を無意識に使い分けて、私たちの生活を支えてくれています。

どちらも重要な代謝ですが、適切なタイミングで代謝を促せないと病気ケガにつながってしまいます。そのため、自分の生活を支えてくれている代謝方法を知り、意識した生活を送ることは病気やケガの予防につながります。

そこで今回は、有酸素性代謝の重要性についてお話しします。

有酸素性代謝と無酸素性代謝の違い

タイトルは「有酸素性代謝の重要性」と書きましたが、先程お伝えした通り、どちらの代謝も人の体には必要です。まずは、二つの代謝の特徴をお伝えします。

有酸素性代謝は酸素を使い、主に脂肪を燃焼させてエネルギーを作る経路になります。
この代謝の特徴は、少ない材料で多くのエネルギーを作れるということです。そのため、普段の生活や運動においてはウォーキングジョギング、ゆっくりとした水泳などで多く利用されています。

無酸素性代謝は、血液の流れが滞って、酸素が細胞に届かいない状態でも糖分(グルコース)を材料としてエネルギーを作ることのできる経路になります。
特徴として、すばやくエネルギーを作ることができますが、そのエネルギーの量は数少ないため、持久力に乏しいということと、代謝した最後に乳酸が作られることです。運動としては短距離走筋力トレーニングでよく使われています。

どちらも生活において重要な代謝方法になります。

無酸素性代謝は細胞が長生きしない

どちらも生活を送る中で重要な代謝ではあります。とは言っても生活において頻繁に短距離走をしたり、筋力トレーニングをするひとは多くいないと思います。そのため、普段何気なく生活を送る場合は、主に有酸素性代謝を利用しています。(一日は24時間あるため、無酸素性代謝ではエネルギーが不足します。)

有酸素性代謝は酸素と脂肪を使い、多くのエネルギーを作ることができます。そのため、ひとが活動してもすぐにはエネルギーはなくならず、エネルギー生産工場である細胞も安定して仕事ができます。細胞にも寿命がありますから、ゆっくりと安定した環境で働けたほうが長生きします。

しかし、緊急事態(電車に遅れそうで階段を駆け上がるなど)ではエネルギーを早く必要としますので、有酸素性代謝では間に合いません。少なくてもいいから早くエネルギーを作れる無酸素性代謝にエネルギー産生経路が優先されます。

そのため、無酸素性代謝が生活をおくるためのエネルギーを作る主な経路になってしまうと、すぐエネルギーがなくなってしまいますから、エネルギー産生工場である細胞は大忙しです。そんな働きづめになったら細胞も長生きできません。

細胞が長生きしないと病気になる

細胞にも寿命があります。細胞が寿命を迎えると死んでしまいます。そして、また新しい細胞が作られます。これを新陳代謝と言います。

この新陳代謝は会社でOLさんが行っている(イメージ的に)コピー作業に似ています。

有酸素性代謝で細胞が長生きすれば、頻繁に新陳代謝を行わなくて良いので、ゆっくりと生活を送れます。例えるなら、OLさんが上司から2,3枚のコピーを頼まれた程度にあたるでしょう。これなら、コピーも失敗なくできます。

しかし、無酸素性代謝を生活の主で使うならば、細胞は長生きできません。そうなると頻繁に新しい細胞に取り換える必要がありますから新陳代謝は活発になってしまいます。例えるなら、上司からいろいろな種類のコピーを300枚頼まれたような状態です。こうなるとOLさんも焦ってしまい、コピーミスを生じてしまいます。

この、OLさんがしてしまったコピーミスが体でいうがん(腫瘍)にあたります。

つまり、生活に必要なエネルギー産生を無酸素性代謝に偏らせると病気になりやすいということです。これらのことからも、私たちの生活を支えるエネルギー産生は有酸素性代謝が好ましいと言えます。

現代人は無酸素性代謝の世界にいる

では、私たちは、生活の中で細胞が長生きできる有酸素性代謝を使えているのでしょうか?

答えはNOです。

もちろんすべてのひとが無酸素性代謝が主というわけではありませんが、現代を生きている方々を取り巻く生活環境から想像すると、ほとんどの方が無酸素性代謝の世界にいるでしょう。

では、なぜ無酸素性代謝になってしまうのか?それは、言葉の通り、普段の生活習慣が細胞に酸素が届きにくい体を作っているからです。

細胞に酸素が届きにくいということはどういうことか?細胞に酸素を届けるには血液に酸素を乗せる必要があります。つまり、細胞に酸素を届けるための血管が細くなっているということです。

血管が細くなったり、太くなったりするのは「自律神経」によって調節されます。

自律神経には、活動をするために体を興奮させる交感神経と、リラックスに入り、体を休めるための副交感神経があります。交感神経が強く働くと血管を収縮し細くなります。副交感神経が強く働くと血管は太くなります。つまり、現代人は交感神経優位の生活を送っているということです。

では、どのような生活が交感神経を強く働かせるのでしょうか?それは、心と体が興奮してしまうような場面を想像していただくと簡単です。以下に例を挙げます。

1.仕事に遅れそうで焦っている状態

2.夫婦げんかをしている状態

3.毎日パソコンの前で目を使っている状態

4.夜遅くまで起きている状態

5.炭水化物に偏った食事をしている状態

詳細において、今回は割愛させていただきますが、こういった生活が続くことによって心と体は興奮状態になり、交感神経が優位となります。そして、細胞に向かう血管は慢性的に収縮し、酸素が滞ってしまい、困った細胞は仕方なく無酸素でもエネルギーを作ることのできる無酸素性代謝に経路を変更するわけです。結果、細胞は疲れ果て、死んでしまい、新陳代謝が頻繁に行われることによってコピーミス(がん)が生まれてしまうのです。

生活を有酸素性代謝にするコツ

では、どうすれば有酸素性代謝を主とした生活が送れるでしょうか?簡単です。先程お伝えした無酸素性代謝になってしまう生活の逆を心がければ良いのです。もちろん、環境的に避けられない部分もありますが、それは自分自身で工夫することで対処できる可能性はあります。(それらはまた随時お伝えしていきます)

例えば、会社への遅刻で焦ってしまうのであれば、いつもより30分早く起きるようにして、朝に余裕を持たせる。朝が起きれないであればいつもより早く寝るなどです。そもそも、夜は副交感神経が強く働き体を休ませる状態に入りますから、遅くまで起きていること自体が交感神経を優位させてしまう原因になります。

また、パソコンで交感神経が強く働くのは、目からの刺激が多いのが理由ですので、1時間に一回は10分程度パソコンから離れたり、ブルーライトを遮断できる眼鏡をつけることも方法の一つです。

食事においては、炭水化物は糖質(糖分)であり、体の中に糖質(糖分)が多く取り込まれると体は先に糖質(糖分)を使おうとします。糖質(糖分)を主な材料にしてエネルギーを作るのは無酸素性代謝ですから、偏った食事も病気になりやすい原因となります。

このように、現代社会は交感神経を強く働かせやすい環境にあります。そのため、そういった環境から少し距離を置くことで副交感神経を活性化させ、血管を広げて細胞に酸素を届きやすくし、有酸素性代謝を促すことができると考えられます。

キャンプに行き、川のせせらぎを聴いたり、緑に囲まれてリラックスすることや、焚火で自然な光を見ることも時には必要です。是非、これらの知識を身につけて生活に取り入れていただき、健康につなげていただけたら幸いです。

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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