アレルギーとは本来、体の外から入ってきた細菌やウイルスに対して、体を守るために働く免疫反応が、花粉やダニ、食べ物などに対して過剰に起こってしまうことをいいます。そして、アレルギー反応を起こさせてしまう物質(花粉、ダニ、食べ物など)をアレルゲンといいます。
アレルギーは乳児期から幼少期に多く、アレルギー反応は皮膚のかゆみや発赤などの軽度のものから、呼吸困難や血圧低下などの重度のものと幅広くあります。
そして、前回は従来のアレルギー治療における利点と欠点についてお話ししました。
詳しくはこちらをお読み下さい。
『これを読めば大丈夫!安心して始められる、アレルギー治療の基礎知識』
アレルギー治療においては免疫寛容がポイントとなります。免疫寛容とは、食べ物などが体に入った際に、間違えて「これは体に害のあるもの、異物だ、やっつけなければ」と判断してしまうことを「これは大丈夫。問題ないものだからやっつける必要はない」と判断を正すことをいいます。
アレルギー治療において、免疫寛容を獲得するまでには、やはり少なからずアレルギー反応が出てしまうこともあります。
しかし、食生活に気を配ることによって、その症状を軽くすることもできます。
そこで今回は、砂糖とアレルギーの関係性についてお話しします。
砂糖を摂ると血糖値が乱高下する
お子さんが好きな食べ物にはお菓子やクッキー、チョコレートなどがあり、これには大量の砂糖が使われています。そして、ここで言う砂糖は幅広く「糖質」の事を指します。糖質は単糖類、二糖類など種類が多いので、今回は簡単に「糖質」としてお話しします。
糖質を大量に摂取すると、血糖値は急上昇し、高血糖になります。高血糖は身体に害を及ぼすので身体からインスリンというホルモンが大量に分泌されます。すると、インスリンの働きにより血糖値は急激に下がり、高血糖を解消させます。しかし、これが人の身体の難しいところで、適度に血糖を下げてくれれば良いのですが、インスリンの大量分泌により結果、低血糖になってしまいます。
このように、血糖値が急激に上がったり下がったりする事(血糖値の乱高下)をグルコーススパイクといいます。
副腎による血糖調節
人間の身体はバランスが大切です。そのため、低血糖の状態もまた、身体に害を与えます。例えば、身体の中で糖質をエネルギーにしている代表は脳ですから、その脳に糖質が行き届かないとぼーっとしてしまったり意識がもうろうとするなどの低血糖発作が現れます。これは、生命の危機です。そのため、身体は再び補正をかけるわけです。
そこで活躍するのが副腎です。副腎は身体の中に2つある腎臓の上にちょこんと帽子のように乗っている臓器です。
ここから、血糖値を上げるためのホルモンを分泌します。代表的なのは糖質コルチゾールです。これにより、血糖値は再び上昇し、正常範囲に戻るわけです。
普段から酷使されている副腎
以上のように、糖質が多く含まれている食べ物を習慣的に摂取していると定期的に血糖値の乱高下を生じさせ、結果的に副腎を酷使してしまいます。すると、次第に副腎が疲労してきて、糖質コルチゾールの分泌が少なくなってきます。
これを副腎疲労と言います。
では、副腎疲労とアレルギーにどんな関係があるのでしょうか?
実は、副腎疲労によって分泌が減少してしまう糖質コルチゾールはアレルギー治療で病院から処方されるステロイド剤の材料と同じものなのです。つまり、糖質コルチゾールは自分の身体で作られる天然のステロイド剤という事です。
なので、仮にアレルギー反応が出ても身体にはそれを抑える仕組みを持っていることになります。
そのため、副腎疲労を起きていると、いざアレルギー反応が出た時に糖質コルチゾールが十分に分泌されず、症状を抑えることはできなくなります。
これらのことからも、アレルギー治療においては、普段の食生活が影響していることが分かったかと思います。具体的には、糖質の摂りすぎに注意するだけで、アレルギー治療中の過度な免疫反応を抑えることができる可能性があるということです。
是非、お子さんに与えている食べ物を見直して頂き、1日でも早くアレルギーに悩む日々から開放されることを願っております。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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