アレルギー治療に必須の知識!腸内環境を整える4つの方法

アレルギーにおいては、お薬が治療の大半を占めるのではなく、食事療法が大きな役割を持ちます。そのため、普段の食生活を見直すことが重要です。

詳しくはこちら。『アレルギーを根本から治す!糖質を抑えた食生活を実現する5つのコツ』

そして、糖質の過剰摂取が副腎疲労を招き、糖質コルチゾールの減少につながることによってアレルギーが悪化してしまうというお話しをしました。

では、その前段階にあたる免疫の過剰反応はどうして起こってしまうのでしょうか?それには、腸内環境が深く関わっていました。

そこで今回は、腸内環境とアレルギーについてお話しします。
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アレルギーに関わる3つの抗体

まず、アレルギーはなぜ起こるのかおさらいしておきましょう。

細菌やウイルスなど、体にとって異物(抗原)となるものが侵入してきたとき、私たちの体は、異物(抗原)に対して「抗体」を作ります。これを免疫グロブリンというのですが、これにより体への侵入を防ごうとします。

免疫グロブリンを作ることによって次回、同じ異物が侵入してきたときにもすぐ働けるように体は準備をしておくのです。そして、この抗体には3つの種類があります。それぞれが異なる働きを持ち、細菌やウイルスが侵入してきたときにいつでも活躍できるように体のあらゆる場所に存在しています。

・IgE抗体(症状があらわれるのが早い)

私たちのアレルギーで一番身近に感じるのがこのIgEタイプのアレルギーだと思います。これは、即効型とも呼ばれ、原因物質を食べたり、吸い込んだ直後に反応があらわれます。そのため、すぐに「あっ花粉が飛んでる。」「これはハウスダストだ。」と気づくわけです。

IgE抗体は抗原とくっつくと、抗原の処理過程で白血球(炎症を起こす)を活性化させたり、ヒスタミン(血管を広げる→血管内の水分が外に染み出る)を大量に放出させます。これが、鼻水、鼻づまり、充血や目のかゆみの正体です。

・IgG抗体(症状があらわれるのが遅い)

瞬時に反応があらわれるIgEアレルギーに対して遅延型と呼ばれるアレルギーを引き起こすのがIgG抗体によるアレルギーです。少し専門的な話になるので詳細は割愛しますが、これはアレルギー反応が起こる過程に「補体」というものが活性化するという経過を経るため症状が遅くあらわれます。

そのため、食べた後にすぐ症状があらわれるわけではないので、原因物質の特定が難しくなります。ただ、食生活の中で毎日同じものを食べている方は、それを1か月程度避けることで原因物質であったかどうかの判断はできます。

IgA抗体(粘膜と関係している)

IgE抗体とIgG抗体は主に血液に入ってきた異物に対して反応しますが、IgA抗体は粘膜に多く存在しているので、より最前線で異物侵入を防いでくれます。この粘膜は、目や口から食道、胃、腸を経て肛門までつながっています。

以上のように、体には異物の侵入を防いでくれるシステムが搭載されています。これを免疫と言いますが、この免疫が過剰に働いている状態がアレルギー反応というわけです。

腸内環境が整うと免疫寛容が正しく働く

そのため、免疫寛容が正しく働くようにすることがアレルギー治療のポイントなるわけです。それでは、どうすれば、免疫寛容が正しく働くのでしょうか?
※免疫寛容:体に入ってきた物質が、体にとって害のあるもの、ないものの選別がなされる防御システムのこと

実は、体の中にしっかりとIgA抗体を作っておくということが、免疫寛容が正しく働くことにつながります。そもそも、アレルギー反応の原因である、免疫軍団(IgE,IgG抗体)はIgA抗体による防御システムがしっかりしていれば、必要以上に活動はしません。

では、IgA抗体はどうしたら作られるのでしょうか?そのためには、IgA抗体を作っているリンパ球を鍛える必要があります。鍛えるとは要するに、リンパ球がIgA抗体を作れるように栄養素を与えるということです。(リンパ球を元気にする栄養素)

その栄養を与えてくれるのが「腸管」になります。なので、腸内環境が悪ければ、リンパ球が必要としている栄養素も届けることができず、元気のないリンパ球はIgA抗体を作ることができなくなります。

逆に、腸内環境を上手に整えることができれば、リンパ球に栄養素を届けることができるので、元気になったリンパ球はIgA抗体を作ることができるわけです。

ちなみに、リンパ球を元気にする栄養素はたんぱく質やビタミンA、D、そしてグルタミン酸などです。

腸内環境を整える方法

いままでの話をまとめます。

①体には外部からの刺激に対して体を守るために免疫システムが搭載されており、その免疫システムの異常がアレルギー反応を生んでいる。

②アレルギー反応に関わるものにはIgE、IgG、IgA抗体があり、なかでもIgA抗体がアレルギー治療において重要な役割を持つ。

③IgA抗体を常に新鮮な状態で存在させることで、的確な免疫寛容が得られる。

④IgA抗体を存在させるためには、生産工場であるリンパ球が元気でなければいけない。

⑤リンパ球を元気にするためには、栄養素を届ける腸管が健康で(腸内環境が整って)なければいけない。

では、腸内環境を整えるにはどうしたら良いでしょうか?

それは、腸内細菌のバランスを良くすることです。腸内フローラという言葉を聞いたことがあると思います。お花畑という意味を持つこのフローラは、同じ種類の細菌がまとまって腸壁を覆って分布している様子を示します。

このバランスを良くする方法を最後にお伝えします。

・プロバイオティクスを摂る

プロバイオティクスは、お腹の腸内細菌バランスを整え、腸内の異常状態を改善し、健康に良い影響を与えてくれる微生物です。代表的な食品はヨーグルトになります。しかし、スーパーで並んでいるヨーグルトは子供が食べやすくするために砂糖を多めに使用していることがありますので、極力無添加のものをおすすめします。

・プレバイオティクスを摂る

プレバイオティクスは、食物繊維やオリゴ糖など、プロバイオティクスの働きを助ける腸内環境をよりよく保つ物質のことをいいます。食物繊維は善玉菌のエサになるため、悪玉菌の勢力に負けないバランスの良い腸内環境を作ることができます。

またラクトフェリンと言うタンパク質も腸内細菌バランスを整えることに有効であり、最も多く含まれているのは母乳になります。特に初乳に多く含まれていて母親から子供へと伝える免疫機能の最大のものと言って良いと思います。

母乳を飲まなくなった幼少期の子供においては、ラクトフェリンはサプリメントで取るのも有効な手段と考えます。

・抗生物質の使用は最小限にとどめる

子供の頃から熱やくしゃみなどの症状が出るとすぐに病院に連れて行き抗生物質が処方されます。この抗生物質は体の中の菌を一斉に殺すことができます。そうです、善玉菌も悪玉菌も一気に殺してしまうんです。その後の腸内環境が悪化している事は想像に難しくないと思います。

発熱は免疫力を上げる絶好のチャンスです。熱が上がりきったところが、免疫に関わるタンパク質が最も活性化したポイントになります。後は免疫の力で熱は自然と下がっていくだけなので安静にして暖かくして下がりきるところを待つのが良いと思います。

・睡眠をしっかりと取る

十二指腸から分泌される消化管ホルモンにモチリンと言うものがあります。モチリンには腸にとどまった便を肛門の方に動かすための蠕動運動を促進する作用があります。モチリンは胃の中が6時間以上空腹であることと、リラックスした状態であるときに分泌されます。つまり寝ている間が1番分泌されやすいということになります。

そのため夜遅くにご飯を食べたり睡眠時間が短いとモチリンの分泌は少なくなってしまいますので規則正しく睡眠をとることが大事になります。

以上のように、腸内環境を整えるには、食品や生活習慣など様々な方法があります。ご家庭に合った方法から取り入れていただき、効果を確認してみて下さい。

今回は、腸内環境を整える大切さについてお話しさせていただきました。腸内環境とアレルギーとの関係はとても深いです。是非今回の内容を生活に取り入れてみてください。

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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