今日から始められる!アレルギーを根本から治すための良い油の摂り方

アレルギー治療において、病院で処方されるお薬は、症状を抑えるものであり、根治を期待できるものではありません。アレルギーの根本原因は、本来、異物ではないものに対して、過剰に免疫機能を働かせてしまう免疫システムの不具合です。そのため、アレルギーを根治させるためには、この免疫システムを正常に働かせることが重要になります。

そして、体に備わった免疫システムを正しくするためには、免疫に関わる物質を作っている腸管を整えることが条件であることを前回お話ししました。

詳しくはこちらをお読みください。『アレルギー治療に必須知識!腸内環境を整える4つの方法』

お薬とうまく付き合いながら、腸内環境を整える重要性が分かったところで、今回は、再度、食事内容に立ち返り、アレルギーに影響を与える「油」についてお話ししたいと思います。

体における油(脂質)の役割

現在、ご自宅のキッチンにはどのような油が置いてありますか?サラダ油、オリーブ油、ゴマ油など、さまざまな油があると思います。これらの油はただ、味や風味が違うだけでなく、構成している成分なども違うため、摂取することによって、体には良くも悪くも影響してきます

油は、三大栄養素である糖質、脂質、たんぱく質の中で「脂質」にあたります。一般的に脂質=コレステロールのイメージが強く、ダイエットや健康を考える人から避けられがちですが、実は、体にとって欠かすことのできない栄養素になります。

では、体の中でどのような働きがあるのでしょうか?

1.体温を保つ・脳の働きを正常に保つ

脂質は糖質やたんぱく質によって作られた熱を守り、体温を保つ働きがあります。DHA・EPAは脳や神経、目の網膜の働きに必要不可欠です。

2.皮膚や骨・神経や細胞の保護

体の水分バランスの維持に脂質は関わっています。また、皮膚の上の皮質は水分の蒸発を防ぎ、肌を守るバリア機能の役割も果たします。

3.脂溶性ビタミンを運ぶ

ビタミンA・D・E・Kは脂溶性ビタミンといって、脂質と結びつくことで吸収率が高まり、体内で効率よく使うことができます。

4.消化吸収・排泄を助ける

栄養素の消化・吸収に脂質は関わっております。また、便秘の改善にも必須脂肪酸が有効であることが分かってきました。

以上のように、油(脂質)は体の中で、色々な役割を果たします。脂質は、1g9kcalと糖質やたんぱく質(1g4kcal)よりもエネルギーになりやすい効率の良い栄養素です。また、体に必要な細胞膜やホルモンの材料になるなど、摂取量が不足すると体調不良につながる可能性があるため、意識して食事に取り入れたい栄養素になります。

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油(脂質)の種類と特徴

では、どのような油でも積極的に摂れば良いのでしょうか?

答えはNOです。

油(脂質)にもいろいろな種類があり、体に取り込まれ、代謝される過程でさまざまな物質を作り出します。その物質が、体の炎症を促したり、抑えたりします。その炎症が、鼻の粘膜で起これば鼻水、くしゃみとして現れ、気管支に炎症が起これば気管支喘息、皮膚で炎症が起これば、アトピー性皮膚炎となるわけです。そのため、ご自宅にある油(脂質)がお子さんのアレルギーを悪化させることにつながる可能性があります。

ここでは、油(脂質)の種類と特徴を説明します。

脂質は大きく分けて、2つに分類されます。1つはバターやお肉の脂身のように常温で固体になる「飽和脂肪酸」とサラダ油やごま油のように常温では液体になる「不飽和脂肪酸」に分けられます。油という言葉は他にも「脂」←こちらの漢字を使うことがありますが、常温で固まるものを「脂」、常温では固まらないものを「油」と分けています。

そして、不飽和脂肪酸には人の体でも作ることはできるオメガ9系(オレイン酸)と体では作り出せない(いわゆる必須脂肪酸にあたる)オメガ6系(リノール酸)オメガ3系(αーリノレン酸)の三種類が含まれます。不飽和脂肪酸における、代表的な油を下記に示します。

・オメガ9系(オレイン酸)

オリーブオイル
キャノーラ油

・オメガ6系(リノール酸)

サラダ油
紅花油
大豆油
コーン油

・オメガ3系(αーリノレン酸)

亜麻仁油
えごま油
紫蘇油
フィッシュオイル(魚油)

人の体では作り出すことができないオメガ6系とオメガ3系はどちらも生きていく上でなくてはならない脂肪酸です。しかし、オメガ6系は過剰摂取をすることで代謝の過程でアラキドン酸が作られます。アラキドン酸からアレルギー性鼻炎や喘息を誘発する物質である、ロイコトリエンが作られてしまうため、お子さんにアレルギー症状がある場合は、過剰摂取を避けたい油となります。オメガ6系の代表的な油をみていただくと分かるかと思いますが、大量に生産できて、安価で売られている油がオメガ6系になります。

一方、同じ必須脂肪酸であり、厚生労働省も1日1gの摂取を推奨しているのがオメガ3系です。この脂肪酸には、代謝の過程で炎症抑制物質を作ることができるため、アレルギー症状を沈めるだけでなく、体内でDHA・EPAに変わり、脳機能の向上にも役立ちます。また、DHAは「幸福ホルモン」と呼ばれるセロトニンの血中濃度低下を防ぐ働きもあり、うつ病や引きこもりの予防にも効果があるとの報告もあります。

以上のように、油の種類によってアレルギー反応を促進したり抑制したりするため、どの油を使うかはアレルギー治療において、重要な意味を持ちます。

お分かりの通り、オメガ3系の油を摂取することが、アレルギー治療において、重要になります。



アレルギーに良い油の摂り方

アレルギー治療において、オメガ6系の油が危険であることは分かったかと思います。しかし、炎症が起こること自体は体にとって必要な反応でもあります。

詳しくはこちらをお読みください。『炎症というものを知り、治療に活かす』

そのため、油の摂取においては、バランス(摂取比率)が大事になります。さまざまな研究から、理想的な摂取バランスが報告されており、それは、オメガ6系が四:オメガ3系が一の「四:一」といわれています。

現代人においては、安価で大量生産が可能なオメガ6系の摂取量が多くなっているため、やはり大事になるのはオメガ3系の油の摂取です。代表的な魚においては、年々と摂取量が減少しており、日本人の魚離れが深刻化しております。

是非、スーパーに行かれたときは新鮮で油の乗っている青魚を選んでいただきたいです。

また、オメガ3系の油は極めて不安定であり、常温の保存や紫外線に当たる環境ので保存では、容易に酸化してしまいます。そして、酸化した油は健康に悪影響を及ぼすため、保存方法にも注意が必要です。そのため、オメガ3系の油は、直射日光を避け、冷暗所で保管し、蓋をしっかり閉めて、開封後4~6週間で使い切るようにしましょう。

常温や紫外線に弱いということは、要するに熱や光に弱いということです。また、酸化という言葉から分かるように、空気にも弱いです。そのため、オメガ3系の油を摂取するときは料理を食べる直前にサッと上からかけることがおすすめです。

ちなみに、炒め物などの調理に使う油はオメガ9系が良いと言われています。

以上のように、油にはさまざまな種類があり、体にとって重要な役割を持ちながらも、過剰摂取により健康を損ねたり、アレルギーを悪化させる作用があります。そのため、これらの知識を身につけて食生活に取り入れることが、病気の予防やアレルギー治療において、重要と考えます

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。


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