ミネラルは神経調整、筋肉収縮、ホルモン分泌など身体のあらゆる機能に関わる重要な栄養素です。また、ミネラルはその他の栄養素により吸収率が左右され、ストレスを受けた時に消耗するなど、とても繊細な栄養素でもあります。
そのため、普段からミネラル不足にならないように食品の栄養素を学びながら食生活を送ることが重要です。
しかし、現代の食生活においては意識せずとも過剰に摂取してしまうミネラルもあることを覚えておきましょう。それがナトリウムです。
そこで今回は「ナトリウムの働きと食品」についてお話しします。
Contents
ナトリウムの働き
健全なpH、浸透圧の維持
人間は約60兆個(最近の報告では36兆7000億個と言われています)の細胞が集まってできていますが、その細胞の外側にはナトリウムが多く存在していて、細胞内に存在するカリウムとバランスをとっています。
これにより細胞外と細胞内の水分バランスを調整しています。
夏場に大量の汗をかいたり、下痢をするとナトリウムが排泄されてしまうため、身体の水分バランスが崩れて脱水状態になります。脱水になると身体全体へ血液を送れなくなってしまうため生命の危険を招きます。
筋肉を収縮させる
人は手や足を動かすときに脳から命令という名の電気信号を筋肉に送ります。その伝達経路にナトリウムが関わっています。
その他
・消化液の分泌促進
・疲労回復(脱水予防)
・日射病予防
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ナトリウム不足による影響
特にない
ナトリウム不足による身体への影響はないことはありませんが、ここではできるだけ皆さんにインパクトを与えたくてあえて書きました。
なぜなら現代人においては、ナトリウムは摂取不足より過剰摂取が続いているからです。
※誤解を招かぬよう、ナトリウム不足による影響を記載しておきます。マラソンや炎天下で運動をされる方、高齢者の方はお読みください。
マラソンや暑い時期に外出をすると汗によりナトリウムを失います。その際に水分のみで補充をすると低ナトリウム血症(血液中のナトリウム濃度が低下する)なります。
軽症では無症状のこともありますが、倦怠感や吐き気、嘔吐、筋肉のこむら返りがある場合はナトリウム不足の症状と言えます。また、重症化すると肺水腫(肺に水が溜まる)や脳浮腫から意識障害に陥ることもあります。
そのため、運動前後や炎天下にさらされる恐れがある時はただの水分ではなく電解質入りのスポーツドリンクで補充するようにしましょう。ただ、市販のスポーツ飲料は糖質が多めに含まれているため過剰摂取にも注意が必要です。
具体的な方法としては水に塩を溶かしたものを飲んだほうがより安全かと思います。それが面倒な場合は、薬局などで売っているOS-1という商品がおすすめです。
ナトリウム過剰による影響
ナトリウムにおいては体内に過剰に蓄積されることの方が問題とされています。
胃がんの発症リスクを高める
アメリカがん研究所は、塩漬けの食品、食塩が胃がんの危険性を高めると指摘しています。また、日本の研究機関においても食塩および塩蔵食品摂取頻度と胃がんのリスクとの強い関連を示しています。
高血圧になる
過剰にナトリウムを摂取すると、血管内(細胞外)のナトリウム濃度が上昇します。すると身体は一定を保とうとして血管内に水分を引き込んでナトリウム濃度を薄めようとします。だから私たちは塩っ辛いものを食べると喉が渇くんですね。
そして、過剰に水分を摂取することにより血管内のナトリウム濃度は一定に戻りましたが、その代わり血管内は水分で溢れていますのでその水分によって血管が内側から押されます。
これにより血圧が上昇します。また、多くなった血液を全身に送り届けるため心臓の拍動も強くなります。これも血圧上昇につながります。
自己免疫疾患を引き起こす
ナトリウムの摂取量が多いと、身体のなかで攻撃的な免疫細胞が暴れるにより自身の身体を傷つけてしまうことが研究によって分かりました。
ナトリウムを含む食品
ではどのような食品にナトリウムは多く含まれているのでしょうか?それは、あなたの身近にきっとあります。
・塩
・燻製肉
・甲殻類
・イワシ丸干し
・梅干し
・みそ
・醤油
・塩辛
・昆布茶
・固形コンソメ
・顆粒風味調味料(粉)
・カットわかめ(乾)
・カップ麺(ラーメン)
ナトリウムの上手な摂り方
現代人はナトリウムを過剰に摂取しています。そのため、ナトリウムの上手な摂り方はナトリウムが多く含まれている食品を避けることと同じだと言えます。
ナトリウムを過剰に摂取してしまうということはきっと私たちの生活の身近に存在しているからでしょう。ではどう付き合っていけば良いでしょうか?
自炊に努める
ナトリウムはインスタントラーメンや総菜パン、ファストフードなど、安価で気軽に食べられるものに多く含まれています。極力自炊生活を送れるようにすることで過剰なナトリウム摂取を避けることにつながります。
自然な塩を選ぶ
自然塩には、ナトリウムだけでなく、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルが含まれており、それらのミネラルは身体のなかへのナトリウム吸収を抑えてくれる働きがあります。
そのため、生成塩ではなく天然の「海の塩」を選ぶようにしましょう。スーパーなどで塩を選ぶときは成分表示にカルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウムの4つが表記されているか確認してください。
また、ナトリウム含有量が低い(70%以下)が理想とされています。
まとめ
以上のように、私たちの身体に必要なナトリウムはどちらかというと過剰摂取の状況にあります。濃い味に慣れてしまうとなかなか塩分過多の生活から抜け出せなくなりますが、ナトリウムの過剰摂取に伴う身体への影響を考えると避けては通れません。
今一度、食生活を見直し健全な人生に近づけていきましょう。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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