まだ全部ではありませんが、これまでさまざまな栄養素についてお話ししてきました。その都度、効率的な摂取の仕方に「サプリメント」を提案してきました。
しかし、サプリメントは原材料や製造方法、効果があるかなどの科学的根拠に不安を持つ方が多いのも現状です。たしかに、日本のサプリメントの現状はアメリカのそれと比べ規制が緩く安価で販売される代わりに栄養価が低く、添加物が入っているものもあります。
しかし、昔と比べて製造方法技術が発展し、栄養価が高くて安全なサプリメントも販売さえているのも事実です。これらを見分けるためにもサプリメントについての知識を身につけておくことは、健康的な食生活を送るために必要な条件となります。
そこで今回は「サプリメントの基礎知識」についてお話しします。
サプリメント選びが大変な理由
日本人の3人に1人が摂ったことがあるサプリメントですが、調査によると約6割の消費者が現在利用中という結果がでています。特に60代、70代の女性が利用者大半を占めているとのことです。
私の近くでは20代から40代の女性にもサプリメント利用者が多くいます。そして、健康維持・増進が主な目的となっているようです。
サプリメント業界は国内の健康食品の市場で1兆7000億円以上の巨大マーケットに成長し、今では100円均一でもサプリメントが購入できるようになりました。
そうした市場の急成長に対し、国内のサプリメントに対する法整備が遅れてしまい、良いサプリメントもうまく宣伝ができず、消費者はたくさんあるサプリメントの中から何を選べばよいか分からなくなってしまったのです。
これがサプリメント選びが大変になってしまった理由です。
現在においては、平成26年度より表示の規制緩和が決まり、科学的根拠が認められる製品に関しては機能表示や広告宣伝ができるようになったため、いい加減な業者が作るサプリメントは徐々に淘汰されつつあります。
サプリメント購入におけるチェック項目
1.原材料
原材料には合成原料と天然由来のものがあります。これらにはそれぞれメリットとデメリットがありますので知識として身についておきましょう。
見分け方は商品のパッケージの原材料表示で分かります。合成原料が「ビタミンC、ビタミンE」などと表記されているものに対して、天然原料は野菜や果物などの名称が表記されています。例えば「アセロラ、ふすま、魚油、大豆」などです。
合成型は安価で大量生産できることや農薬混入などの心配がないことがメリットとして挙げられます。デメリットとしては技術力や資本力などによって品質にばらつきがあるので商品によって当たり外れがあります。
天然型は栄養素が体の中で効率的に利用される可能性が高いというメリットがあります。その分、高価となってしまうのがデメリットになります。また、食物アレルギーがある人は成分表を良く読まないとサプリメント服用によるアレルギー反応を誘発させてしまう可能性があります。
2.安全性
日本においてサプリメント(健康食品)は「食品」に分類されます。これによってサプリメントは医薬品の品質管理法ではなく、サプリメントを作っている製造会社によって品質管理がされるようになります。つまり、サプリメントの品質は製造会社によって違うという事です。
製造会社によって何回品質検査をしているか、安全性のチェック自体が自社調べなのか第3機関によるものなのかも分かる場合は、サプリメントを選ぶための重要な項目になります。
3.添加物
サプリメントになかなか手が出ない人からよく聞くのは、やはり「添加物」の問題です。配合できる栄養素の量は厚生労働省によって定められているため、配合できる量が少ない栄養素を錠剤にする場合はやはり賦形剤(形を整えたり、飲みやすくするための添加剤)などの添加物が多く含まれるのようになります。
添加物が過剰だとそれを処理するための肝臓に負担がかかるため、長期的に摂ることになるサプリメント選びでは見極めが必要になります。
まとめ
以上のように、健康をサポートすることのできるサプリメントは日本においてたくさん販売されるようになりました。しかし、経済として良く回るところには必ず甘い汁をいただきに来る会社が現れます。
そういった会社はより安価で適当な管理をして消費者にサプリメントを提供します。そして、それを規制する日本はまだまだ十分にそれを排除することができていません。こういった現状を考えるとサプリメントには頼らないほうが安全だという気持ちにもなりますよね?
しかし、私たちを取り巻く食環境は昔と比べだいぶ様相を変えています。飽食の時代に入り、人の手が多く加わった食品には添加物が多く含まれます。また、ファストフードやお菓子、アルコールといった趣向品の摂取に伴い体の中で処理すために多くのビタミンやミネラルが消費されています。そもそも、大気汚染や放射能により土壌の環境が悪化しているため、同じ量の野菜でも昔と比べて栄養素の含有量(栄養素が含まれている量)が少なくなっています。
こういった理由からも私たちがサプリメントについて正しい知識を身につけ、不足しがちの栄養素を補充することが健康維持には必要と考えています。
次回は、サプリメントの見分け方、素朴な疑問についてお話しします。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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