健康的な体を作れる!三大栄養素の働きを詳しく解説します。

三大栄養素

私たちの体は常に生まれ変わっています。これを新陳代謝といい、古い細胞は新しい細胞に作り変えられます。

そして、細胞を作り変えるには材料が必要です。では、その材料は、誰かが定期的に届けてくれるのでしょうか?いいえ、そんなことはありませんよね?

そうです、私達はその材料を食事から得ています。正確にいうと、食事をすることで、体に必要な栄養素を取り込み、それを体を合成するための材料としています。

つまり、自分の体が健康的な体になるか、不健康的な体になるかは食べた栄養素によって決まるということです。

このことからも、普段食べている栄養素を知っておくことは、健康的な体を作るための必須条件になります。

そこで、今回は「三大栄養素」についてお話しします。

栄養素を知る

ひらめく

まず、栄養素の種類と特徴について簡単に知っておきましょう。

【三大栄養素】私たちの身体を作り、エネルギー源になる

炭水化物:体内でブドウ糖に変化し、脳や筋肉などにエネルギーを送る栄養素

脂質:エネルギー源になると共に細胞膜や核膜を形成する栄養素

たんぱく質:体を作る材料であり、一部はエネルギー源にもなる必須栄養素

【副栄養素】三大栄養素の代謝を助ける知能栄養素

ビタミン:ごく微量でありながら、生命維持に欠かすことのできない栄養素であり、補酵素

ミネラル:神経伝達や筋肉の収縮などを行い、心と身体の健康維持に必須の栄養素

【ファイトケミカルス】健康とアンチエイジングをサポート

食物繊維:水溶性・不溶性とあり、どちらも健康維持に欠かすことのできない体内のお掃除役

微量成分:注目のアンチエイジング成分。食物の色素や香りに含まれる有効成分

このように、体内で使用される栄養素にはさまざまな種類があり、生命維持や体作り、そして老化防止に役立っています。

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糖質

炭水化物

では、本題である三大栄養素について理解を深めておきましょう。

まずは、糖質です。以前もお話ししましたが、糖質は炭水化物の一部になります。炭水化物は「食物繊維」と「糖質」から構成されます。ここでは、糖質についてお話しします。

糖質は、私達の脳や身体を動かすための主なエネルギー源になります。白米、パン、イモ類などに多く含まれています。この糖質は、体に取り込まれると、最終的にブドウ糖になって、各器官(脳、筋肉など)に運ばれます。そして、エネルギーとして使われます。

身体を動かすことに重要な糖質ですが、食べ過ぎには注意が必要です。糖質を多く摂りすぎると、肥満や糖化などの問題が引き起こされるからです。

現代病となっている「糖尿病」はその例です。すでに、病名に「糖」が入っていますよね?そうです。糖尿病は、糖質の摂り過ぎでよって発症すると言っても過言ではありません。

身体に良い和食中心の食生活が推奨されており、日本人はまさにその代表ですが、残念ながら日本人の糖尿病罹患率は年々上がっています。もちろん、日本人の食の欧米化も原因にあると思います。ただ、それだけではありません。

和食を完全否定するつもりはありませんが、個人的には糖質60%、脂質25%、たんぱく質15%の割合である和食では糖質を摂り過ぎていると私は思います。

ただ、糖質の代わりになる脂質をうまくエネルギーに変えられない人もいるので、極端な糖質制限もおすすめしません。食べ過ぎに注意しながら適度に摂取しましょう。

また、糖質には血糖値が急激に上がるものと穏やかに上がるものがあります。これを高GI・低GI食品(GIはグリセミック・インデックスの略です)といいます。高GI食品は、血糖値の急上昇を招き、肥満になりやすく、反動で低血糖になりやすい食品です。

低血糖になると、集中力が落ちたり、眠くなったりと学習や仕事などの作業効率が悪くなるので食べ過ぎには注意が必要になります。

逆に、低GI食品は、血糖値の上昇は穏やかで、脳に安定したブドウ糖を供給できるため、集中力やメンタルは安定しやすいと言われています。

高GI食品:白米、コーンフレーク、フライドポテト、白パンなど

低GI食品:玄米、そば、サツマイモ、インゲン豆など

脂質

油

脂質は、身体を動かすエネルギー源であると共に、細胞膜やホルモンの材料になる栄養素です。各種油(オリーブ、なたね、キャノーラ、紅花)、バター、マヨネーズ、肉の脂身、魚に多く含まれています。

脂質は、「飽和・トランス型脂肪酸」「一価不飽和脂肪酸」「多価不飽和脂肪酸」の3つに分類されます。

飽和・トランス型脂肪酸

飽和脂肪酸は、肉類に多く含まれており、熱や酸化に強い脂肪酸になります。血管の構造に関係しており、不足すると血管は脆くなり、多すぎると高脂血症や動脈硬化の原因となります。

また、トランス型脂肪酸は自然界には存在しない特殊な形態を保つ脂肪酸のことで、コーヒーのポーションミルクやマーガリン、ショートニング、お菓子などに多く含まれます。心臓や脳に悪影響であることから、欧米では「食べるプラスチック」とも言われています。海外ではすでに、法規制により排除が進んでいます。

一価不飽和脂肪酸

一価不飽和脂肪酸は、牛肉、豚肉、オリーブオイル、キャノーラ油などに含まれています。酸化に強く、悪玉コレステロールのみを低下させ、動脈硬化を予防する働きがあります。ちなみに、一価不飽和脂肪酸は体内で合成のできる脂肪酸です。

多価不飽和脂肪酸

多価不飽和脂肪酸には、ω(オメガ)6系多価不飽和脂肪酸とω(オメガ)3系多価不飽和脂肪酸に分けられ、どちらも体内で合成できない脂肪酸、いわゆる必須脂肪酸にないります。そのため、食事でしっかりと摂取する必要があります。

ω(オメガ)6系多価不飽和脂肪酸は、卵やレバー、紅花油、大豆油などに含まれています。オメガ6系脂肪酸は血糖値を下げたり、血中コレステロールを減らす作用がありますが、摂取量が多くなりすぎると、善玉コレステロールを減らしてしまったり、がんの原因となる「過酸化脂質」を生み出すことにつながります。

また、オメガ6系脂肪酸は炎症と深く関わっており、過剰摂取によって慢性炎症につながってしまう危険があるため、摂り過ぎには注意しましょう。お子さんがアレルギーを持っている場合、オメガ6系脂肪酸の過剰摂取により、アレルギー治療に難渋するケースも少なくありません。

ω(オメガ)3系多価不飽和脂肪酸は、魚、紫蘇油、亜麻仁油、ココナッツオイルに含まれています。オメガ3系脂肪酸には悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす作用があります。また、脳の神経伝達にも関わっており、適度に摂取することで、記憶力の向上や情緒の安定につながると言われています。

オメガ3系は6系脂肪酸とは逆に、炎症を抑制させる働きがあります。そのため、アレルギー治療をされているお子さんにはぜひ、取り入れていただきたい脂肪酸になります。

ただ、オメガ6系脂肪酸とのバランスも重要であり、オメガ3系ばかり摂っていると、炎症を抑制しすぎてしまう可能性があります。炎症にも体を治すという役割を持っていることを忘れないでください。オメガ6系脂肪酸とオメガ3系脂肪酸のバランスは4:1が良いと言われています。

詳しくはこちらをお読みください。→『湿布かぶれにサヨナラ、知って得する炎症の基礎知識』

たんぱく質

焼肉

たんぱく質は、体を作るために必要な栄養素です。肉類、魚介類、卵、大豆、乳製品に多く含まれています。私たちの内臓・血液・筋肉・ホルモン・肌・髪の毛などほとんどのものにたんぱく質は使われています。私が栄養のことを勉強する中で感じたのは、たんぱく質の重要性です。

調べれば調べるほど、あちこちでたんぱく質を使っています。人間はたんぱく質がないと始まらないなと感じました。

実際に、成人の体重は55~56%が水分ですが、残りの成分の7~8割はたんぱく質です。糖質を主食とする日本人が不足しやすい栄養素ですので、意識的に摂っていきましょう。具体的には、体重1kgに対して毎日1~1.4gは必要です。

ただ、食事だけでたんぱく質を摂るのは難しいのも現状です。例えば、60kgの男性が60gのたんぱく質をお肉で摂る場合、なんとステーキ400gの量が必要になります。経済的(食卓に肉ばかり乗せれない)な問題もありますし、今度は脂肪量が気になります。また、ご高齢の方は胃がもたれてしまうこともあります。

そのため、現在では低分子化されたプロテインなども推奨されています。今は、サプリメントなどを利用しないと十分な栄養を確保できない時代になってきました。理由は現代社会にあります。現代社会では、昔と比べて、ひとつひとつの食品から得られる栄養素が少なくなってきています。これは、大気汚染などで土壌が悪くなっていることが原因と言われています。

製造過程や審査の有無などの問題で、心配される方が多いかと思いますが、サプリメントにおいても知識もつけていくことで、うまく取り入れることができます。サプリメントにおいては、また次回以降でお話ししていきます。

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まとめ

今回は、栄養素の種類と三大栄養素についてお話ししました。次回からは、各種ビタミンやミネラルについて一つ一つの特徴などをお伝えいたします。知識や知恵が増えれば、人の考え方、思考は変わってきます。思考が変われば、普段の行動が変わり、普段の行動が変われば健康状態、最終的に人生が変わっていきます。

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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