あなたはストレスで胃が痛くなったことはありませんか?それはストレス潰瘍の前段階、いわゆる未病の状態です。
未病は進行すると病気に変わり、あなたの生活を脅かします。そのため、未病の状態から治療をしていく必要があります。
そして、未病を治していくためには、この先に起こり得る病気について知っておくことも大切です。
そこで今回は「ストレス潰瘍になるしくみとストレス解消法」についてお話しします。
Contents
ストレッサーとストレス
まず、知っておいてほしいことがあります。それは、私たちが普段使っている「ストレス」という言葉は「ストレッサー」を指すということです。
ストレッサーとは「ストレスを与えるもの」を指し、一般的には人間関係や上司のプレッシャー、近所付き合い、環境汚染や重力などがあります。
そして、本来ストレスとは「ストレス状態」のことを指し、人間関係や上司のプレッシャーなどで「身体の中に引き起こされた状態」を言います。
「ストレスを与えるもの=ストレッサー」
「外部からの影響で身体の中に引き起こされた状態=ストレス状態」
世間ではどちらもストレスという言葉で使われていますが、正確にはこのようになります。
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ストレッサーによる自律神経の乱れ
先ほど述べたように、私たちの生活には多くのストレッサーがあります。
そして、そのストレッサーにより感情(喜怒哀楽)が生まれ、その感情が自律神経を刺激しストレス状態を作り出します。
※自律神経は、意思とは関係なく内臓や筋肉、血管の動きを調整してくれるものです。
詳しく知りたい方はこちら→『不調がスッキリ!今すぐできる自律神経を整える5つの方法【保存版】』
下の表は、ストレッサーから生まれた感情と自律神経機能への影響を表したものです。
① 驚いたり、急に恐怖を感じると、人は交感神経機能を高めて、その場に対応するか、逃げるための準備をします。
③ 逆に、ストレッサーが少なく、落ち着きを感じると、人は副交感神経機能を高めて、リラックス状態に入ります。
ここまではみなさんもイメージしやすいかと思います。
そして、注目すべきは②の状態です。
一時的ではなく持続的に不安や緊張、怒りが続くと、体の中では交感神経と副交感神経の両方が強く働くようになります。
実は、この状態がストレス潰瘍の原因となるのです。
ストレス潰瘍になるしくみ
では、なぜ交感神経と副交感神経の両方が強く働くとストレス潰瘍になるのでしょうか?簡単にご説明します。
(ちなみに、ストレス潰瘍とはストレッサーが原因でできる胃・十二指腸の潰瘍のことを言います。)
交感神経機能が高まると胃粘膜の血管は収縮します。すると胃粘膜の血流は低下します。
胃粘膜の血流が低下すると、胃酸が胃粘膜内に入り込もうとする時に血流で胃酸を洗い流せなくなります。
これにより胃粘膜の強度が低下します。
そして、さらに副交感神経機能が高まると、胃では胃酸分泌が亢進します。これによって胃粘膜を傷つけることになります。
以上のメカニズムによってストレス潰瘍を引き起こします
ストレス解消法
これまでお話ししたように、交感神経と副交感神経の両方が強く働いているとストレス潰瘍になる可能性があります。
そして、これらが持続的に強く働いていると、最終的には両方とも疲れ果てて働かなくなってしまいます。
自律神経は生命を維持するためのものですから、両方とも働かなくなってしまうとそれはまさに生命の危機です。
そのため、ストレスは定期的に解消する必要があります。
そこで、推奨されているのがストレス(STRESS)という言葉を使った解消法です。
Sports:楽しんで汗をかく運動
Travel:自然に親しむ旅行
Recreation:人と交わる楽しい遊び
Eating:楽しい食事
Singing/Speaking:歌、おしゃべり
Sleep/Smile:よく眠り、良く笑う
以上のことを生活に取り入れることで、自律神経を適度に刺激し整えることができます。
漢方医学的治療(ツボと食養)
冒頭でもお話ししたように、胃痛は未病になります。そして、未病のうちに対処することがストレス潰瘍という病気にならない最善策になります。
そして、未病における治療で効果を発揮するのが東洋医学の中にある漢方医学です。
ここでは、普段の生活に取り入れやすいツボと食養についてご紹介します。
ツボ押し
内庭(ないてい)は足の人差し指と中指の間の上のくぼんだところ。胃痛やつわりに効くツボです。
公孫(こうそん)は足の第一中足骨底の前下縁のくぼんだところ。胃痛、食欲不振、下痢に効くツボです。
肩井(けんせい)は肩関節から第7頸椎棘突起という部位までの距離のちょうど真ん中にあるツボです。第7頸椎棘突起は後ろから首の付け根を触っておき、顎を引きながら下を見ることで、出っ張ってきますので触りやすいです。
ちなみに肩井は肩こりにも効くツボです。
[ツボの押しかた]
押したときに「痛気持ちいい」と感じるくらいが良いと言われています。数字で表すなら3~5kg程度です。体重計を親指で押して確認すると良いでしょう。
息を吐きながらリラックスして押すと効果的です。1箇所に約1分かけて押すようにしましょう。
1日朝晩の2回を限度としています。
[注意]
長い時間押しすぎると体がだるくなったり、筋肉の張りやこりなどのいわゆる「揉み返し」が起こるので注意して下さい。
あと、熱がある時やお酒を飲んでいるときはツボ押しは避けて下さい。
食養(しょくよう)
毎日の食事で病気を予防することを食養と言います。
胃痛に対してはどのような食材が良いでしょうか?
キャベツにはビタミンUが含まれていて胃痛を和らげる効果があります。また、ジャガイモとキャベツには胃粘膜を強化する働きがあると言われています。
しかし、キャベツに含まれるビタミンUは熱に弱いため、食べる場合は加熱せず、生のまま食べることをオススメします。
胃の冷えと痛みを伴う場合は、しょうが、ネギ、ニラ、ニンジンがオススメです。
胃が張る人はストレス過多になっていることが多いため、気の巡りを良くするミョウガ、三つ葉、春菊などの香味野菜、オレンジ、レモンなどの柑橘類を中心に摂ると良いでしょう。
まとめ
今回はストレス潰瘍になるしくみとストレス解消法についてお話ししました。
私たちのまわりには数多くのストレッサーがあり、全てを避けて通ることなど到底できません。
そのため、普段より、ストレス状態を解消できるように今回の内容を生活に取り入れて頂けると良いと思います。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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