ぷるんっとした肌を取り戻せる、亜鉛の働きと上手な摂り方を教えます

成長、免疫、美容

皆さんは「亜鉛」というミネラルをご存知でしょうか?多分、あまり耳にしない名前だと思います。事実、日本において亜鉛の知名度は低く、それもあってか日本における亜鉛摂取量は必要量を大幅に下回っていることが分かりました。

一般的に亜鉛は味覚に関与することが言われていますが、実はそれだけでなくたんぱく質合成や細胞分裂、コラーゲンやホルモン合成など成長に深く関わっているいます。

そのため、私たちが生涯を通して健康的な体でいるためには亜鉛の存在を知り、不足しないような食生活を送ることが必須となります。

そこで今回は「亜鉛の働きと食品」についてお話しします。

亜鉛の働き

新陳代謝に大きく関わる

細胞の生まれ変わり、いわゆる新陳代謝には代謝酵素というものが必要ですが、体内に存在する約2,000種類の酵素のうち、約300種類もの酵素組成に亜鉛は関与しています。

酵素について知りたい方はこちらをお読みください。
『けがも病気も早く治る!酵素の種類と働きを超簡単に説明します』

少し難しい言葉ですが、遺伝子情報やたんぱく質合成に欠かせず、コラーゲンをはじめとする皮膚の形成にも必要不可欠です。つまり、成長には必要不可欠なミネラルというわけです。特に子どもの成長には必ず必要なミネラルです。

そして、お肌のハリが低下してきた奥様にも是非取り入れてほしい栄養素となります。

病や傷の回復力を高める

亜鉛は皮膚に必要なたんぱく質の合成や細胞の分裂を促すミネラルなので擦り傷や切り傷、火傷などをした時の回復を早めることができます。実際に皮膚トラブルの治療薬に「亜鉛華軟膏」というものがあります。ご存知の方も多いのではないでしょうか?

免疫力を増進させる

亜鉛は体内で発生する活性酸素を抑える働きがあります。成長や回復、免疫に美容などさまざな機能に関与する亜鉛はまさに「万能ミネラル」ですね。

ホルモンの合成

亜鉛はホルモン合成にも関わっています。特にインスリンというホルモンの合成・分泌を促します。インスリンは血液の中のブドウ糖をエネルギー源として使えるように各細胞に届ける働きがあります。炭水化物(食物繊維と糖質)が主食の日本人にとっては必要不可欠なミネラルであるのが分かります。

その他

・皮膚の形成(肌荒れ・にきびの改善)
・神経伝達物質を調整し、うつを予防する
・性ホルモンを分泌する(月経前症候群や不妊の改善)
・爪の代謝
・視力の維持
・油肌、コレステロール沈着を減らす

亜鉛不足による影響

味が分からない女性
味覚異常

私たちが味覚を感じることができるのは、舌の表面にある「味蕾」という部位が存在しているからです。この味蕾という部位は新陳代謝が活発であるため、細胞の生まれ変わりに関与する亜鉛が不足すると味覚異常を起こすことがあります。

男性の生殖機能低下

亜鉛は精子や前立腺に多く存在し、特に性に対して強い影響力を持っています。そのため不足すると、性能力の低下、精子の減少につながります。

感染症にかかりやすくなる

亜鉛は免疫に関わることが分かってきました。亜鉛を添加しているトローチを風邪患者に摂取させると、咳・鼻水の持続期間を短縮させ、風邪の治りを早めてくれるという研究結果も出ています。

発育不全

亜鉛は成長に深く関わるミネラルです。実際に発育が遅い子どもを調べた報告では、血液中の亜鉛値が順調に発育している子どもと比べて低い値を示しました。

その他

・色素沈着
・口内炎
・前立腺肥大
・食欲不振
・うつ
・摂食障害
・不安症
・多動症
・無気力

亜鉛を含む食品

牡蠣
・魚介類
・牡蠣
・うなぎ
・貝類
・ワカメ
・昆布
・赤身の肉
・未精製の穀類
・ナッツ
・大豆
・納豆
・卵
・抹茶
・ねぎ
・ごま
・椎茸
・ココアパウダー

寒い冬になると感染症にかかりやすくなりますが、それを防ぐために「牡蠣」が旬な食べ物になるんですね。地球は良くできています。

亜鉛の上手な摂り方

亜鉛はもともと吸収率が悪いため、どのように摂ると効率が良いか知っておくことはとても重要です。

ビタミンCやクエン酸と一緒に摂る

亜鉛はビタミンCとクエン酸と一緒に摂ると吸収率が高まることが分かっています。

亜鉛損失原因を取り除く

亜鉛はアルコールを飲むことによって代謝過程で損失してしまいます。またインスリン合成に関わるため高GI食品(血糖値を急速に高める)を多く食べる人は不足しやすくなります。これらの食品は大量摂取を避けたいものになります。

亜鉛吸収率を妨げる原因を取り除く

スナック菓子やインスタント食品に含まれる「ポリリン酸」は亜鉛の吸収率を妨げます。今は飽食の時代であり、食事は安く簡単に済ませれるようになりました。しかし、簡単に摂れる食品には人の手が多く加わっています。人の手が加わると食品には体に都合の悪い成分が含まれることが多々あります。

こういった理由からもあなた自身や子どもの成長のためにもお菓子やインスタント食品を乱用することは避けたいところです。

プラスの視点とマイナスの視点を持つ

上記の説明にもありましたが、テレビや雑誌でもそうですが、一般的に健康を維持するためにはなにかを付け加えようという「+」の姿勢を持ちがちです。しかし、もっと大事なのは加工食品を避けることやアルコールの大量摂取を避ける、いつまでも抗生剤を飲まないというような「-」の姿勢だと思っています。

体に対してなんでも付け加えれば健康になれるというわけではありません。

まとめ

今回の内容からも分かるように亜鉛は私たちの生活に欠かすことができない大切なミネラルです。しかし、現代の食生活は亜鉛不足になりやすい現状にあるため、これらの内容を参考に積極的に摂取していただけたらと思います。

精力の減退や傷の治り方、お肌のハリなどは年齢のせいにされがちですが、栄養素の低下からも生じることをしっかりと理解しておきましょう。

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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