あなたは、力んだり、くしゃみをした時に尿もれをしたことはありませんか?
もしあるとしたら、あなたの骨盤底筋は弱くなっているかもしれません。
骨盤底筋が弱くなると、尿もれだけでなく腹圧低下にもつながるため、姿勢が悪くなったり、腰痛を招いたりします。
そういった不具合を生じさせないためにも骨盤底筋に対する知識と鍛える方法を知っておくことはとても大切なことになります。
そこで今回は「骨盤底筋トレーニング」についてお話しします。
Contents
骨盤底筋ってどこ?
まずは、簡単に骨盤底筋がどこにあるかを知っておきましょう。
詳しい機能解剖は専門書や他のサイトに譲るとして、こちらでは場所のみご紹介します。
まぁ、名前の通り骨盤の底にある筋肉を言うわけですね。
骨盤底にある筋肉は複数あるため、正確には「骨盤底筋群」と言われています。
骨盤底筋はその上にある内臓器を支えています。
また、腹壁の筋とともに体の前側と下側で筋肉の緊張を保つことによりお腹の圧を高める働きがあります。これを腹圧(腹腔内圧)と言います。
図の赤い部分の圧力が高まると風船が膨らんだようになり体が前に倒れてくる力を支えてくれます。つまり体が上に伸びあがる力になり姿勢が良くなるということですね。
姿勢を正したい人、良い姿勢になりたい人は「背筋」を鍛えようとする方が多いですが。腹圧が下がった状態で背筋を鍛えると腰痛になりやすくなります。
骨盤底筋が弱くなる理由
骨盤底筋は体の下で臓器を支えるとともにおしっこが勝手に出てこないように食い止める筋肉でもあります。そのため、骨盤底筋が弱くなると尿もれの原因となります。
では、なぜ骨盤底筋が弱くってくるのでしょうか?ここでは、骨盤底筋が弱くなる原因をいくつか挙げてみたいと思います。
1.加齢
これは想像に難しくないと思います。加齢が進み、閉経を迎えると女性ホルモンである「エストロゲン」が減少していきます。体内のエストロゲン濃度が低下することにより骨盤底筋がゆるんできてしまうと言われています。
2.出産
これも皆さんがご存知のことかと思います。出産をする時は一時的に骨盤が大きく開きます。これにより骨盤底筋は引き伸ばされてしまいます。
出産後は骨盤が元の位置に戻ってくるので骨盤底筋が伸ばされるのは一時的ではありますが、出産の回数が多くなれば、それだけ骨盤底筋に与えるダメージも大きくなります。
すると結果的に、骨盤底筋がゆるんできてしまいます。
3.姿勢
骨盤底筋は普段の姿勢にも影響を受けます。具体的には腰骨の前反りが減ることと骨盤が後ろに傾いていると骨盤底筋はゆるくなります。これを「腰椎前弯減少、骨盤後傾」と言います。
いわゆる悪い姿勢ですね。背中を丸めて、顎を突き出してデスクワークをしている人を見たことありませんか?
または、あなたがこのような姿勢になっていませんか?
こういった姿勢が続くと骨盤内の内臓(胃や腸)が下方に押し出される力が働き、その下に位置する骨盤底筋は必要以上に引き伸ばされてしまいます。これにより骨盤底筋はゆるんでしまうのです。
4.呼吸(胸式呼吸の制限)
呼吸には「胸式呼吸」と「腹式呼吸」があります。
胸式呼吸は息を吸う時に胸が広がります。
腹式呼吸は息を吸う時にお腹が広がります。
そして、実は普段の生活で「腹式呼吸がメインとなって呼吸している人」は骨盤底筋がゆるみやすいことが分かってきました。呼吸はなかなか自分で意識して行うものではないので一度、自分が息を吸う時に胸が広がるのかお腹が広がるのか確認してみるのも良いでしょう。
分かりにくい場合は、息を吐き切った時点で腹筋に力を入れたまま息を吸って胸を広げれるかやってみてください。
普段が腹式呼吸メインで呼吸している方の場合、上記の方法ではなかなか胸に空気が入ってきません。
腹式呼吸がメインとなると、「骨盤底筋ってどこ?」の写真にあります、横隔膜が過度に下がってきます。そうすると骨盤底筋は強く圧力を受けます。これにより骨盤底筋は緊張を保つことができなくなりゆるんでしまうのです。
5.肥満
お腹に脂肪がつくともちろん骨盤の中の臓器も重くなります。そのため、骨盤内の臓器が下に向かいやすくなり結果的に下で支える骨盤底筋にダメージを与えることになります。
6.排便で力み過ぎる
女性は便秘がちの方が多いため、「おっ!やっと便意が来た!!トイレに行こう」となると一生懸命出そうとするため、力むことが多いのではないでしょうか?
排便をする時に力み過ぎると腹圧が高まり過ぎてしまうため骨盤底筋が必要以上に引き伸ばされることになり、結果的に骨盤底筋にダメージを与えることになります。
以上のような原因により、骨盤底筋の力は低下してしまい、尿もれにつながってしまいます。
骨盤底筋トレーニング
では、骨盤底筋の筋力低下を解消するにはどんな運動が良いのでしょうか?こちらでは骨盤底筋トレーニング方法をご紹介致します。
骨盤底筋の働きは臓器を支えたり、尿もれを予防することです。つまり、骨盤底筋には手足を大きく動かすなどの働きはありません。
そのため、トレーニングは地味になってしまいます。これが一般の方が効果を実感しにくい理由ですね。
そのため、3つ目には分かりやすい大きな運動もお教えしますのでご安心ください。
1.四つ這い
これは呼吸と合わせることで骨盤底筋の働きを高める運動です。
まずは、四つ這い(お尻高め)になり骨盤内の臓器の重みを除去しましょう。
①胸式呼吸をする。(息を吸う時に胸に空気を入れる感じ)
②息を吐くときに尿を止めるように膣を締める。
1呼吸(吸って吐いて)を1回として5~10回を1セットとしましょう。
時間がある時に積極的に行ってもらうことをオススメしますが、最低でも朝と晩の1日2回3セットずつ行うようにしてください。(お昼は仕事先やお出かけ先で四つ這いがとれないかもしれないので・・・)
2.座位
これは座った姿勢で骨盤底筋の収縮を行い、収縮感覚を養う運動です。
先程お伝えしたように、骨盤底筋のトレーニングは「えっ!?今、筋肉使ってるの!?よく分からない」となりやすい運動です。
そのため、この収縮感覚(力が入っている感じ)を得ることはトレーニングを継続すること、効果を実感することにつながります。
①椅子に座り、ロール状にしたタオルを陰部に置く。(図ではタオルの上に完全にひとが乗っていますがこんなに高くなくて良いです。実際行うとタオルは押しつぶされ、お尻は椅子に当たるはずです)
②胸式呼吸をする。(息を吸う時に胸に空気を入れる感じ)
③息を吐くときに膣を締めて、タオルを引き上げるように意識する。
膣を締めながらタオルを引き上げる時にタオルの弾力により骨盤内に押し上げられる力が働くため骨盤底筋の収縮を感じやすくなりますよ。
これも同じように、1呼吸(吸って吐いて)を1回として5~10回を1セットとしましょう。
時間がある時に積極的に行ってもらうことをオススメしますが、最低でも朝と晩の1日2回3セットずつ行うようにしてください。
3.体幹側屈
骨盤底筋を含めた腹壁筋の運動になります。
元々、骨盤底筋は単独では働きにくい筋肉です。そのため、最終的にはこのような大きな運動まで行えるようになった方が良いでしょう。
そして、見た目も分かりやすく、運動した気分を味わえると思います。
①椅子に座り、少し背筋を伸ばして、手は頭の後ろで組む。
②呼吸を止めないように注意しながら、腹筋に力を入れる。
③腹筋の力を抜かないように体を左右に倒す。
※運動1,2と比べてダイナミックであり、難易度が上がります。
注意点としては、姿勢が丸くならないようにすること、息を止めないこと、腹筋の力が抜けないようにすることです。
1往復を1回として1セット3~5回しましょう。結構疲れやすいので最初は1セット3回(3往復)から始めることをオススメします。
運動の順序は1➝3(四つ這い➝体幹側屈)の順で行うようにしてください。
まとめ
今回は、尿もれの原因と骨盤底筋トレーニングについてお話ししました。女性を悩ませる尿もれの原因には骨盤底筋の筋力低下があり、骨盤底筋の筋力低下にもさまざま原因があります。
そして、その内容には今日から対処できるものもあったかと思います。
運動においては四つ這いや座位などの指定はしましたが、大切なのは普段から意識して骨盤底筋を働かせることです。なので、ふと気づいたときが立った姿勢ならその姿勢で構わないので、タオルを股間に挟んでいるイメージをして膣を締めるように、タオルを引き上げるように力を入れるようにしてください。
ちなみに私は、仕事中歩いている時にふと思い出したら力を入れるようにしています。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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