私たちの身体は食べた物によってできています。そのため、肩こりや腰痛などの不調も摂っている栄養素が原因で生じることもあります。
そして、実は気持ちが落ち込んでしまったり、気分が晴れないといった症状にも栄養素が関わっていることがあるのです。
そこで今回は「ナイアシン(VB3)の働きと食品」についてお話しします。
Contents
ナイアシンの働き
精神安定
ナイアシンの働きで有名なのが精神安定です。ナイアシンは記憶力の向上やメンタルへの働きが期待されています。ハッピーホルモンである「セロトニン」を合成するにはナイアシンが必要不可欠であるため、ナイアシン不足はうつ症状につながってしまいます。
三大栄養素の代謝をサポートする
三大栄養素の代謝にはビタミンB1(糖質)、ビタミンB2(脂質)、ビタミンB6(たんぱく質)が関わりますが、実はナイアシンも三大栄養素の代謝に関わっています。体内で必要とされるエネルギーの60~70%はナイアシンを利用しています。
炎症を抑える
ナイアシンは炎症を引き起こすヒスタミンを減少させる作用があります。子どもの喘息や高齢者の変形性関節症に対してナイアシンが含まれているサプリメントを飲むと症状が落ち着いたり関節の可動範囲が広がったという報告もあります。
アレルギー治療においてもヒスタミンを抑制する薬がありますが、ナイアシンを意識的に摂ることによって薬に頼らなくても症状を安定させれる可能性があるということですね。
二日酔い予防
ナイアシンは、二日酔いの原因であるアセトアルデヒドを分解する際に補酵素として働くため、ナイアシンはこの忘年会シーズンでは必要不可欠なビタミンと言えます。
その他
・血管拡張作用(偏頭痛やメニエール症候群)
・心筋梗塞再発予防
・コレステロール低下作用
・中性脂肪対策
・皮膚を美しく保つ
・口腔、唇の潰瘍を治す
・神経や肺機能の正常化
・性ホルモンの合成
ナイアシン不足による影響
ペラグラ
ナイアシンの欠乏症として有名なのはペラグラです。神経障害を起こし、うつ状態になることがあります。
筋力低下
ナイアシンの合成には必須アミノ酸のトリプトファンを使います。つまり、体内のトリプトファンの量によってナイアシンの量が変わるということです。
そのため、トリプトファンの摂取が少なくなるとナイアシンも少なくなってしまいます。ということは逆に、ナイアシンの摂取が少なくなると体の中のトリプトファンを多く使ってナイアシンの量を補充しますから結果的にトリプトファンが不足していきます。
トリプトファンは必須アミノ酸であり、アミノ酸はたんぱく質です。要するにたんぱく質不足になってしまうわけです。筋肉はたんぱく質でできていますからトリプトファンが不足すると筋力低下につながってしまいます。
日光過敏症
日光に皮膚が過敏に反応するのはナイアシン不足の初期症状と言われているので覚えていきましょう。
その他
・胃腸病
・冷え性
・成長障害
・食欲減退
ナイアシンを含む食品
・レバー
・肉
・小麦胚芽
・卵
・アボカド
・プルーン
・たらこ
・乳製品
・大豆製品
・カツオ
・マグロ
・カジキ
・サバ
・落花生
(食品100gあたり)
たらこ:56.9mg
カツオ:19.0mg
ナイアシンの上手な摂り方
ナイアシンは体内で合成できるビタミンですが、不足されやすいビタミンでもありますので上手に体に摂り入れましょう。また、注意点もあります。
補給はビタミンコンプレックスで
ナイアシンはビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6が不足することで合成能力が低下するといわれています。そのため、補給はビタミンコンプレックス(ビタミンB群の栄養素が一通り入ったサプリメント)がおすすめです。
トリプトファンを補充しておく
先ほどもお伝えしたようにナイアシンの量はトリプトファンの量に影響を受けます。トリプトファン60mgに対して、ナイアシンは1mgしか作られないためトリプトファン不足は避けておきたいですね。トリプトファンはカツオ、鰹節、小麦蛋白、湯葉(干し)、高野豆腐、すじこ、イワシ、シラス、きな粉、大豆(乾燥)、脱脂粉乳に含まれています。
ナイアシンには副作用にも注意!!
ナイアシンには血流促進効果があるため、一度に多く摂取すると(30mg~)フラッシングという顔が紅潮したりかゆみがでることがあります。一時的な症状ではありますが、大量にナイアシンを摂取すると肝障害や胃腸障害につながるケースがあるため注意しましょう。この一時的な症状をナイアシンフラッシュと言いますが、通常20分程度で水をしっかり飲めば鎮まります。
まとめ
ナイアシンについてまとめます。
1.ナイアシンは心を落ち着かせる、代謝をサポートする。
2.不足すると肌荒れや精神症状、筋力低下につながる。
3.ナイアシンはビタミンB群とバランス良く摂る。
4.ナイアシンの摂り過ぎに注意する。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。
今回の内容が、あなたのお役に立ちましたら、是非、facebookページ(自律神経サポート)への「いいね!」およびTwitter(未病改善セラピスト)の「フォロー」をお願い致します。m(__)m
最近のコメント