日本人の魚離れは年々進んでおり、主要ミネラルの不足が大人子ども関係なく深刻化しています。火山大国である日本の土壌はカルシウムを中心としたミネラルに乏しいため、海外と比べてもより多くの魚介類摂取が望まれています。
また、主要ミネラルを摂ることは、加齢に伴う活性酸素を除去することにつながるため老化やがんを予防には重要な栄養素となります。
そこで今回は「セレンの働きと食品」についてお話しします。
Contents
セレンの働き
抗酸化作用
セレンは高い抗酸化作用を持つミネラルです。その抗酸化力はビタミンE以上と言われています。
動脈硬化予防
セレンは酸化(酸素が皮膚や内臓とくっつきその機能を失わせる)の原因である「過酸化脂質」を分解する働きがあるため動脈硬化予防作用があります。
心臓病・脳卒中予防
セレンによる動脈硬化予防は結果的に心臓病や脳卒中の予防につながります。
男女の生殖器をサポート
セレンは男女ともに生殖器と関係があります。男性においては、精子の濃度や精子の活発さなどと関係しますので不妊治療においては摂取が望まれるミネラルです。女性においても妊娠後の各症状(流産、早産、子癇前症、胎仔発育制限、妊娠糖尿病)を予防する働きがあります。
有害ミネラルの除去
魚離れと言われている日本人ですが、それでも世界の中では比較的多く海産物を摂取しているため水銀などの有害ミネラルが体に溜まりやすいという欠点があります。水銀はカツオやマグロなどの大型の魚に多く含まれているミネラルです。体内への過剰蓄積により消化機能障害、腎臓異常、中枢神経障害を引き起こす可能性があります。
セレンはこれらの有害ミネラルを体外に除去する働きがあります。
その他
・白内障予防
・閉経後の症状の緩和
・ふけの予防、治療
・血管の収縮や弛緩
・血小板の凝縮
・気分を高める
セレン不足による影響
加齢による老化
セレン不足により老化の原因である過酸化脂質の分解ができなくなるため見た目だけでなく内臓機能などの老化を早めます。
動脈硬化・心筋梗塞・脳卒中
酸化に伴う血管の劣化は体の場所によってさまざまな病気を引き起こします。それが心臓であれば心筋梗塞、脳であれば脳卒中などになるわけです。
体調不良
先ほど説明しました、有害ミネラルの除去が不十分となるため体内に有害ミネラルが溜まることにより体調不良を引き起こします。(貧血、倦怠感、低血圧、立ちくらみなど)
その他
・感染症
・がん
・スタミナの喪失
・克山病
・気分の落ち込み
セレンを含む食品
・かつお節
・たらこ
・カツオ(秋獲り)
・ずわいガニ
・甘鯛
・豚レバー
・鶏レバー
・牛レバー
・卵黄
・ひまわりの種
・マスタード
・にんにく
・玄米
・ふすま
・玉ねぎ
・小麦胚芽
セレンの上手な摂り方
ビタミンEと一緒に摂る
セレンはビタミンEと一緒に摂ることによって抗酸化力を高めることができます。
オメガ3系油、発酵食品、食物繊維と一緒に摂る
セレンの持つ有害ミネラル除去作用は、同じ作用を持つオメガ3系油や発酵食品、食物繊維と一緒に摂ることでさらに働きを高めることができます。
まとめ
以上にように、セレンは体の老化や病気予防だけではなく子孫繁栄に必要な男女の生殖機能にも深く関わっています。
これから妊娠を考える夫婦や子どもを授かった女性においては必須のミネラルになります。微量ミネラルであり、過剰症もあるため積極的に摂取する必要はありませんが、時に現れる体調不良がセレン不足から生じることもあるため、これらの知識は頭に入れておいて良いでしょう。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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