今年もまた、忘年会シーズンがやってきました。仕事終わりで気分も良く、羽目を外して飲み過ぎたりすることもあると思います。私は、時にはそんな日があっても良いと思っています。
しかし、冬の時期は気圧の問題や寒さから交感神経が強く働いている時期になります。交感神経が持続的に働くとさまざまな不調が現れます。
そんな時期には、一日であっても不摂生をすると未病や病気になる可能性があります。時に、忘年会では多くのお酒を飲み、人によってはたばこを吸う人もいます。たばこを吸わない人でも、その場にいれば、副流煙を吸うことになるため、条件はあまり変わりません。
そして、アルコールやたばこは未病や病気のきっかけとなります。そこで今回は「アルコールとたばこで失われる栄養素」についてお話しします。
三大栄養素の代謝に必要なビタミン・ミネラル
まず、健康を維持するために必要なことをおさらいしておきます。健康を維持するためには、体温を高い状態に保つことが大切でした。体温を高い状態にしておくと、体の中の酵素や細胞が活性化されるからです。
詳しくはこちらをお読みください。『5分でわかる!体温を高めることで得られる4つの効果【仕組みと現状】』
そして、体温を高めるためには、基礎代謝を高める必要があります。基礎代謝とは、身体が生命維持に必要な活動(心臓や呼吸を動かす)をするために行うエネルギー代謝をいいます。
私たちは、体を動かすためのエネルギーを食べ物を材料にして得ています。いわゆる三大栄養素です。三大栄養素には「糖質」「脂質」「たんぱく質」があります。
主なエネルギー源は「糖質」と「脂質」になり、「たんぱく質」は体を作る材料となりますが一部はエネルギー源になります。これらの栄養素が、身体に取り込まれてエネルギーとして使われる過程を「代謝」と言います。
そして、三大栄養素の代謝には補酵素であるビタミン・ミネラルが関わります。
ちなみに、酵素は体の中で作られるたんぱく質で、「消化酵素」と「代謝酵素」あります。そして、補酵素はビタミンやミネラルのことをいい、その多くは体内で作り出すことができません。そのため、食事からしっかりと摂ることが重要となります。
ご飯やパンは炭水化物になります。炭水化物は「食物繊維」と「糖質」からなりますが、エネルギーとして利用されるのは糖質です。ご飯やパンが体に取り込まれると、消化酵素により最終的に一番小さいブドウ糖になります。
そして、ブドウ糖をエネルギーに変えるための「糖代謝」が起きるのですが、この際に必要不可欠となるのがビタミンB1やナイアシン、マグネシウムといったビタミン・ミネラルです。
オリーブ油やなたね油などは脂質になります。脂質をエネルギーに変えるには(脂質代謝)ビタミンB2やナイアシンが必要となります。
たんぱく質においても一部はエネルギー源となります。たんぱく質をエネルギーに変えるには(アミノ酸代謝)ビタミンB6が必要となります。
その他、ビタミンCやカルシウム、亜鉛や鉄分といった栄養素もクエン酸回路を機能させるためには必要になります。
このように、エネルギーを作り出すために必要な三大栄養素は単体でエネルギーになり得るものではなく、酵素や補酵素が必要不可欠となります。これによって、基礎代謝を円滑に行うことができ、基礎代謝によって作り出されたATP(アデノシン三リン酸)を使い体温を高めて健康を維持するのです。
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アルコールによってビタミン・ミネラルは失われる
以上のように、健康を維持するためのエネルギー源である三大栄養素はビタミンやミネラルによって代謝されていきます。そして、アルコールを多く摂取するとこのビタミンやミネラルが失われてしまうのです。
アルコールによって失われる栄養素を以下に示します。
・ビタミンA
・ビタミンB
・ビタミンC
・ビタミンD
・ビタミンE
・葉酸
・ビオチン
・カリウム
・ナトリウム
・クロール
・亜鉛
・カルシウム
・マグネシウム
以上のように、アルコールを摂取することで多くのビタミンやミネラルが失われます。このように見ると少し恐怖を感じるのは私だけでしょうか?
特に、ビタミンBにおいては、ビタミンB1(チアミン)も含まれており、これはアルコールを代謝する肝臓で必要とされます。そのため、アルコールを摂取しすぎるとビタミンB1が不足して「糖代謝」がうまくいかないくなってしまいます。
そのほか、葉酸(ビタミンB9)やビタミンB12なども不足してしまいます。葉酸が不足すると肌荒れや疲労、不眠などの原因となります。ビタミンB12が不足すると、記憶力減退や神経過敏症、手足の脱力感が現れます。
これらのことからも、アルコールを多く摂取した次の日にはビタミンやミネラルの補給が必要であると考えられます。ちなみに、アルコールとは時間差を置くことが大切です。
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たばこによってビタミン・ミネラルは失われる
ビタミンやミネラルが失われるものはアルコールだけではありません。たばこにおいても身体の中で処理される過程でビタミンやミネラルを失ってしまいます。
たばこを吸うことで、ニコチンなどの有害物質が体内に大量に取り込まれます。有害物質は身体において都合が悪いため、身体の中で活性酸素を大量に作り出し、有害物質を壊そうとします。
このように、防衛機能として活性酸素は有効ですが、大量に身体で作られると間違えて自分自身の細胞を傷つけたりします。これを「酸化」と言います。そうなることを防ぐために、ビタミンCが使われます。
ビタミンCは皆さんがご存知の通り、抗酸化作用を持つため、活性酸素による酸化を防いでくれます。つまり、たばこを多く吸うとビタミンCを失ってしまうわけです。
そして、ビタミンCが不足すると、抵抗力の低下(風邪)につながってしまいます。そのため、たばこを多く吸ってしまった時は、意識的にビタミンCを摂るようにしましょう。
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まとめ
以上のように、忘年会などで多くなってしまうアルコールやたばこにはビタミンやミネラルを失わせる働きがあります。そして、ビタミンやミネラルの不足は、三大栄養素の代謝を低下させて免疫力を下げることにつながります。
つまり、自分ではしっかり食べたつもりでも身体の中ではしっかりと吸収されているとは限らないということです。
楽しい飲み会のあとも元気で生活できるようにするために、この時期は時に野菜や果物を多く摂るようにしてください。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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